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今この記事を読んでくださっているあなたは、次のいずれか当てはまったりしないでしょうか?
「マンションを購入したけど、引っ越しをすることにしたから手放したい。」
「不労所得が欲しくてマンションを取得したけど、仮に今売却するとしたらどうなるのか検討したい。」
「不動産投資を検討しているけど、売却のことも見据えてまずは情報収集から・・・」
そして、いずれかに当てはまるという方は、こんなことも考えていませんか?
「売却にある程度費用が掛かることは見込んでいるけど、できるだけ少なくしたい。」
「後から『こんなに払うの?!泣』ってならないように、後々にも発生する費用があるであればあらかじめ知っておきたい。」
「え、マンションを売るのに税金ってそんなにかかるの・・・?」
「ジョウトショトクゼイって何?普通の所得税と何か違うの・・・?」
今回はこんな疑問や心配を解決するための記事を書きました
譲渡所得税とは?
不動産を売却した際に生じる所得のことを「譲渡所得」といいます。
そして、この譲渡所得に対して課される税金は、大きくは所得税と住民税の2種類があります。
”譲渡所得税”という言葉は正式な言葉ではありませんが、これらの「譲渡所得」に対して課される税金のことを俗的に”譲渡所得税”ということがあります。
譲渡所得税を支払うのはいつ?どのような方法で?
所得税と住民税はそれぞれ支払うタイミングが異なります。所得税を納めるのは、マンションを売却した年の確定申告のときです。
そして、住民税を納めるのは、マンションを売却した年の翌年6月からです。どちらの税金も、マンションを売却した年に行う確定申告の申請内容に基づいて徴収されます。
最近は株などの投資だけでなく、ふるさと納税による寄附金控除などを利用される方も増えて来たため、確定申告をご自身で行ったことがあるという方も多くなってきましたね。
ご自身で行ったことがあるという方はよくご存知かと思いますが、確定申告とは、毎年1月1日から12月31日までの1年間に生じた所得についてを国に申告をするその手続のことで、毎年2月16日〜3月15日までの間に行います。
この申告に基づき、所得税と住民税がそれぞれ計算されます。
所得税に関しては、すでに納税済みの金額との過不足を精算します。
足りなかった場合には足りない分の金額を追加納付し、多く納めていた場合には後日還付されます。(還付金は、申告の書類が受理された日から1〜2ヶ月を目安に指定口座へ振り込まれます。)
そして、住民税に関しては、翌年6月以降に税務署から届く納税書に基づいて納税します。企業にお勤めの方は、住民税を給与から天引きする形で人事労務の部門が代理で納税手続を行ってくれている場合も多いです。
譲渡所得の計算の仕方は?
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譲渡所得の計算をする前に、良いお知らせが一つあります。
それは、譲渡所得に関する特別控除が複数種類あるということです。
どういうことかというと、平たくいえば、「マンション売却で利益が出ていても一定条件を満たしていれば、税金を払わなくて済む制度」が複数あるということです。
先程の通り、確定申告をすることによって、マンション売却で得られた所得に対する所得税や住民税が計算される訳ですが、その税計算をする「前」に、その掛け算の元となる数字から一定額を控除することが認められる場合があるのです。(この「掛け算の元となる数字」のことを「課税譲渡所得」といいます。)
この言葉を簡単な式にすると、こうなります。
課税譲渡所得 = 譲渡所得 ー 特別控除
そして、支払う税金(所得税や住民税)はこの課税譲渡所得に対して税率を掛けて計算されます。
課税譲渡所得 × 税率(所得税) = その年の所得税額
課税譲渡所得 × 税率(住民税) = 翌年の住民税額
特別控除についてがあまりしっくり来ないという方は、次の例を参考にしてみてください。
例えば、今日あなたがデパートにお子様連れで買い物に来ているとしましょう。そして、前から気になっていた1万円のネクタイを購入しようとしているとしましょう。
なんと、今日はたまたまデパート内でセールをしていて、子ども連れで来場した場合に限り、商品代金から20%OFFになるそうです。このとき、あなたが支払う消費税はいくらですか?
2018年現在消費税は8%ですから、1万円のお買い物をした場合にかかる消費税は、1万円×8%=800円です。
ですが、もしあなたがお子さんを連れていたら、1万円の20%OFF(つまり8000円)に対しての消費税だけ払えば良いので、8000円×8%=640円で済みます。
同じ8%という税率を掛けて消費税を計算していますが、後者は掛け算する前の元となる金額が前者と比べて安いため、当然消費税額も安くなっていますね。
この例における「20%OFF」という割引が特別控除と同じような働きをしています。そして、「子ども連れで来場した場合」という条件が、特別控除の要件と同じように「ある特定の人にだけ適用されるルール」の働きをしています。
ちなみに、消費税は全国民が同じ8%を支払いますが、所得税や住民税の税率は国民一人一人で異なります。所得税の税率は5〜45%、住民税の税率は4〜10%、それぞれ開きがあります。
特別控除にはどんな種類があってどんな要件なの?
不動産を売却した場合の特別控除の種類は、全部で6種類あります。
1. 公共事業などのために土地建物を売った場合:5,000万円の特別控除の特例
2. マイホーム(居住用財産)を売った場合:3,000万円の特別控除の特例
3. 特定土地区画整理事業などのために土地を売った場合:2,000万円の特別控除の特例
4. 特定住宅地造成事業などのために土地を売った場合:1,500万円の特別控除の特例
5. 2009年または2010年に取得した国内にある土地を譲渡した場合:1,000万円の特別控除の特例
6. 農地保有の合理化などのために土地を売った場合:800万円の特別控除の特例
(参考:国税庁・タックスアンサー「No. 3223 譲渡所得の特別控除の種類」より)
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/joto/3223.htm
この記事をお読みの皆さんに特に関係がありそうなのは、おそらく2番の「マイホーム(居住用財産)を売った場合:3,000万円の特別控除の特例」でしょう。
ちなみに、ここでいうマイホームとは、あくまで自分自身が中長期的に住むために購入した住居のことです。例えば、誰かに賃貸するなどの投資目的で購入された不動産や別荘のように趣味・娯楽・保養目的で所有している不動産などは含まれません。
また、単身赴任などでやむを得ず自宅を離れなければいけない期間が一時的にあった場合には、その後帰って来てまた住んでいるかどうかがチェックされます。
また、自分が中長期的に住んだという事実があったとしても、その後引っ越しなどにより自分が住まなくなったという場合には、3年以内に売却しなければマイホームとしては見做されません。
購入した自宅を手放して、次の家に移り住もうという計画を立てていらっしゃる方は、売却時期についてくれぐれも注意しましょう!!(税金が何十万〜何百万円も違いますよ!)
特別控除の他にも、何かお得な制度はあるの?
あります。
例えば、あなたが今分譲マンションに住んでいるとしましょう。そして、次の会社の人事で昇進する内示を受け、いよいよ夢のマイホームの建設が実現できる目処が立ったとしましょう。(おめでとうございます!!)
この場合、買換え特例というものが適用されます。
例えば、3,000万円で購入したマイホームを7,000万円で売却し、9,000万円のマイホームに買い替えたときには、通常の場合、譲渡所得は4,000万円として税計算されます。
ですが、「買換え特例」の適用を受けた場合、売却した年には譲渡益への課税は行われず、買い替えたマイホームを将来譲渡したときまで、譲渡益に対する課税を「繰り延べることができる」のです。
これはあくまで「繰り延べることができる」というだけで、支払わなくて良くなるということではありません。
つまり、買い替えた後の9,000万円の新・マイホームを将来売却したときには、今回の譲渡益4,000万円がそのときの譲渡益に足される形で税計算をすることになるということになります。
これを果たして「お得」と捉えるは人によるかも知れませんが(苦笑)、マイホームの建設はそもそもお金がたくさんかかりますし、引っ越しのために家具を買い替えるなど、費用が嵩んでしまうことも多いです。
そのようなときは、こうして国が用意してくれている制度を賢く利用して、できるだけ家庭のお財布を守りたいものですね。
ただし。一つ注意点があります。
それは、この買換え特例は先述の3,000万円の特別控除とは「併用できない」ということです!!!
そのため、どちらの制度を受けるかについては、ご自身のメリットが最大になる方を検討した上で、選ぶようにしてくださいね
投資用のマンションでも何かお得になる制度はない?
あります。
といっても、こちらも特別控除とは異なりますが。
マイホームでも投資用でも、その不動産を保有した「保有期間」の年数により、所得税や住民税の税率が変わります。具体的には、以下のとおりです。
【投資用の場合】
5年以下・・・所得税:30.63%、住民税:9%(計39.63%)
5年超え・・・所得税:15.315%、住民税:5%(計20.315%)
【マイホームの場合】
5年以下・・・所得税:30.63%、住民税:9%(計39.63%)
5年超え〜10年以下・・・所得税:15.315%、住民税:5%(計20.315%)
10年超え・・・所得税:10.21%、住民税:4%(計14.21%)
投資用の場合は、5年よりも多くその不動産を保有していると、課される税率が半分近く違うことになります。
マイホームの場合はさらに優遇されていて、10年よりも多くその不動産を保有していると、課される税率はさらに3割程低くなることになります。
しかし。
ここで注意が必要なのは、「保有期間」の算出方法です。
例えば、あなたが今お住いの分譲マンションを購入した日が2013年12月1日、そして売却予定日が2018年12月31日としましょう。
普通に考えれば、保有している期間は5年1ヶ月ですよね。
ですが、税計算する上での「保有期間」とは、「譲渡した年の1月1日時点で取得から何年経過しているか」をいいます。
すなわち、上記の例だと売却をする2018年の1月1日時点では、分譲マンションを購入(取得)した日から4年1ヶ月しか経っていません。
そして上記の例においては、この「4年1ヶ月」が「保有期間」となります。
税率は5年以下か5年を超えているかで倍以上の差がありますので、売却時期についてはぜひ気をつけて決めてくださいね
一人で税計算をするのは不安…どこか相談できるところはない?
あります。
国税に関することは、国税局に電話相談センターがあり、税務署在地ごとに電話番号が設けられています。係りの方が丁寧に教えてくれますよ。
国税庁「税についての相談窓口」
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/shirabekata/9200.htm
まとめ
• 不動産を売却した際に生じる所得を「譲渡所得」といい、これらの「譲渡所得」に対して課される税金のことを俗的に”譲渡所得税”ということがある。
• 譲渡所得に対して課される税金は、売却したその年の確定申告の内容に基づいて徴収される。納める時期は、所得税は確定申告のとき、住民税は翌年の6月以降。
• 税金の計算の際に、特別控除やその他特例を利用すると、納める税金が0になったり安くなったり、納める時期を先延ばししたりすることができる。
• 一人で税金のことを調べるのが大変なときは国税局の電話相談センターに問い合わせると良い。
ハウスメーカーランキング2021〜住宅メーカーの坪単価や評判と宅建士が教える選び方
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