専任媒介契約をするメリットとデメリットは？マンションを売る際はどの媒介契約が良いのか

マンションを売る際に、不動産と交わす契約のことを媒介契約と言います。

この媒介契約の種類はどんなものがあって、何を契約した方がいいのか分からないと言う人も多いのではないでしょうか？

今回の記事では、3つあるうちの1つである、専任媒介契約のメリットとデメリットを詳しく説明していきます。

またかしこい媒介契約の方法についても、解説していますので、これから不動産契約される方は、是非参考にしてください。

1、専任媒介とはどういった契約なのか

そもそも媒介契約とは不動産にマンションの売却を依頼する契約のことです。

不動産会社はこの依頼内容を書面で売主さんに交付する義務があります。

そして不動産会社はこの媒介契約をもとに、マンションの売却活動を始めることが出来るのです。

・どの物件の売却を依頼するか

・いくらで売るのか

・期間はどれくらいか

・不動産会社の活動内容

・仲介手数料の金額と支払い時期

以上のような内容が、媒介契約では交わされます。

・専任媒介

・専属専任媒介

・一般媒介

媒介にも上記3つの種類があり、専任媒介とは依頼者が他の不動産会社に重ねて媒介を依頼することができない契約のことです。

ただし、依頼者が自ら見つけた相手方と売買することはできます。

指定流通機構(レインズ)には、登録の義務があり、媒介契約締結の翌日から7日以内に登録されます。

また不動産会社は、業務処理の状況の報告を2週間に1回以上行う必要がある媒介契約です。

2、専任媒介の3つのメリット

まずは、専任媒介の3つのメリットをお伝えしておきます。

1、不動産会社が積極的に売り出してくれる

不動産会社の仲介手数料は、完全成果型報酬となっています。

それに加えて専任で頼んでいる訳ですから、契約主は他の不動産会社と契約出来ないため、売れなければ、媒介契約を切り替える自由もあるのです。

一般契約媒介では、売却活動に力を入れたとしても、他の不動産会社で成約してしまっては、不動産会社は手数料を貰えなくなります。

その可能性があるため、あまり積極的に売り出しをしてくれない可能性があるのです。

しかし専任媒介契約の場合、不動産会社としても売れれば確実に手数料が入ってくるので、積極的に売り出してくれる可能性が高くなります。

2、不動産会社が1つなのでやり取りの手間が省ける

一般媒介契約をして、不動産の数を増やせばその分、不動産とのやり取りが増えることを意味します。

サラリーマンの方や昼間普通に仕事がある場合は、やり取り出来る時間も限らるので、専任媒介契約の方が、向いています。

・お問い合わせの数

・他不動産会社からの問い合わせ数

・案内した時のお客さんの購入しない理由

・広告には効果があったのか

さらに、専任媒介契約であれば、上記のような内容のフィードバックを受けることが出来ます。

これが一般媒介との大きな違いとも言えるのです。

窓口を1つにすることで、密な連絡が出来るため、教えてくれなければ見えないデータも知ることが可能です。

さらにこれらを元に価格の修正や、売り方の方向を変えることも出来るため、取引がスピーディーに進みます。

また専任媒介契約の場合は、業務報告も2週に1回ほどなので、その頻度であれば対応は難しくありません。

3、依頼者が直接買主を発見して契約することが出来る

専属専任媒介の場合、依頼者が買い手を見つけてきて直接契約してしまことは出来ません。

この場合は違約金が発生してしまいます。

しかし専任媒介契約で、不動産会社と契約している場合は、直接買主を見つけて契約しても違約金などを支払う必要が原則ありません。

これは、専任で媒介契約してサポートを受けるメリットと、自分でも見つけることが出来ると言うメリットを兼ね備えています。

3、専任媒介の2つのデメリット

続いては、専任媒介の2つのデメリットについてもお話しておきます。

1、やり取りが1対1になる

これはメリットにもなるのですが、デメリットにもなります。

1対1であるがために、悪い部分も見えにくくなってしまうのです。

不動産会社には、売主から売却の媒介契約を依頼された物件を、他の不動産会社に契約させない「囲い込み」があります。

この囲い込みは例えば、別エリアの他社の不動産会社から「物件を購入したい人がいる」と電話があっても、「すみません、すでに申込みが入ってしまいました」と何らかの理由をつけて、紹介を断るのです。

もし自社で契約することが出来たら買主と売主から仲介手数料が貰えます。

しかし他の不動産会社で、契約されてしまっては、仲介手数料が入らないため、このようなことが起こってしまうのです。

その結果本来であれば、もっと高く売れるかもしれない物件でも、不動産会社のこのような対応によって、売れにくくなることがあります。

2、不動産会社によって当たり外れがある

専任で1社だけに契約しているのに、動きが悪い場合もあります。

積極的に売り出してくれるとメリットで挙げましたが、不動産会社によっては、手数料を確保出来ることを良いことに、売却活動を手抜きする会社もあるのです。

こればかりは不動産会社によるので、そう言ったところでは契約しないのが一番なのですが、分かっていても見分けるのが難しくなっています。

4、専属専任媒介と専任媒介の違い

専属専任媒介契約と専任媒介契約には、どのような違いがあるのでしょうか？

それぞれを簡単に比較していきます。

1、専任媒介契約

専任媒介契約では、依頼者が他の、不動産会社に重ねて依頼することは、禁止されています。

また依頼主が買主を見つけて契約することは、自由です。

2、専属専任媒介契約

専任媒介契約と同様、依頼者が他の、不動産会社に重ねて依頼することは、禁止されています。

また依頼主が買主を見つけて直接契約することも禁止です。

なので依頼した不動産会社が紹介する相手(顧客)以外の人とは取引できない媒介契約をいいます。

いわば、依頼した業者に全面的に任せるものです。

不動産会社としては、努力が無駄になることはないので、それだけ積極的な努力が期待できます。

5、かしこい媒介契約の結び方

媒介契約は3種類あり、その中でもこの専任媒介契約で売り出すのが、契約主の手間も少なくなり、一番おすすめな契約方法です。

理由としては、どの不動産会社と契約したとしても、レインズで多くの不動産会社と物件情報を共有することが出来ます。

なので、情報の広がりは一般媒介契約でも専任契約でも大差ないと言えるのです。

それであれば、信頼出来る1つの不動産を探して、頑張ってもらう方が、いい結果になると考えています。

しかしこれは、良い不動産会社であることが前提となります。

例えばデメリットで紹介したように、1社にだけ依頼しているのに、動きが悪い場合は、不安になってしまいまいます。

そうなった場合でも契約の期間と更新には規定がありますので、それらを知っておきましょう。

1、媒介契約の期間

媒介契約の期間は、3ヶ月を超えない範囲で自分で設定することが可能です。

通常3ヶ月の契約をすることがほとんどですが、3ヶ月を過ぎた場合は、契約を解除出来ることを覚えて起きましょう。

2、媒介契約の更新

媒介契約の更新は、依頼者より書面にて申し出る必要があります。

上記で定めた契約期間の満了日が近づいてきて、マンションが売れていない場合、引き続き同じ不動産会社にお願いすると言う場合は、媒介契約の更新が必要になるのです。

これは不動産会社が「契約を更新しても良いですか？」と聞いてきて「いいよ」と答えるだけでは、契約は完了しないことを意味しています。

不動産会社の一方的な更新は出来ませんので必ずあならからの、書面での申し出が必要となるのです。

3、初回の契約は1ヶ月にすると効果的

契約の期間は、3ヶ月の間であれば、任意に設定することが出来ます。

なので必ずしも3ヶ月で契約する必要はありません。極端な話しをすると、1週間の媒介契約を結ぶことも可能です。

では、なぜ1ヶ月にした方が良いのか理由を説明していきます。

1ヶ月以下で設定してしまうと、期間があまりにも短いため、不動産会社としても、動きようがありません。

売り出すにしても最低で1ヶ月は必要となるからです。

この1ヶ月間は、あくまで、しっかり動いてくれるか、お客さんのことを大事にする不動産会社なのかと言うのを判断する材料となります。

その後、良さそうな不動産会社であれば3ヶ月の契約を結び、対応が悪い場合は、更新しません。

こうすることによって、無駄な期間を最小限にすることが出来ます。

不動産会社には、契約時に1ヶ月の専任媒介契約をしたいこと、そしてその後は3ヶ月契約することを伝えましょう。

1ヶ月では、無理だと言う不動産会社とは、契約しなければ良いだけです。

ここから、依頼すべき不動産会社なのかどうかを判断することが出来ます。

まとめ

メリット

・不動産会社が1つなのでやり取りの手間が省ける

・不動産会社が積極的に売り出してくれる

・依頼者が直接買主を発見して契約することが出来る

デメリット

・やり取りが1対1になる

・不動産会社によって当たり外れがある

以上がメリットとデメリットになります。

総じて言えるのは専任媒介契約の場合、基本的にメリットの方が多いと言うことです。

中でも契約主の手間が減ることはかなり大きなメリットとなります。

不動産会社が積極的に売り出してくれる点に関しては、そのまま自分に返ってきますので、契約の前にはこのメリットを考慮して契約するようにしましょう。

しかし専任媒介契約は、囲いこみなどがあり不動産会社によっては、いい方向に進まない場合もあります。

その場合の対処法としては、最初に1ヶ月だけ契約することが効果的です。