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<記事の情報は、2023年9月1日時点のものです>
「建売住宅」と「注文住宅」では特徴が正反対です。
ハウスメーカーから住宅を購入する時、建売住宅にするか、それとも注文住宅にするかで迷うものです。果たしてどちらが良いのでしょうか?
メリットとデメリットが大きく異なるので、住宅を購入する際にはそれぞれの長短をしっかりと把握しておきましょう。
それぞれの違いを把握しておくことで、住宅購入で失敗するリスクを減らせます。
今回は『ハウスメーカーの建売住宅の魅力やデメリット』、さらに『注文住宅との違い』などを解説します。
またここで1つ、本文に入る前に重要な質問をさせてください。
「注文住宅や建売住宅といったマイホームを購入するとき、最優先でしなければいけないことは何かわかりますか?」
土地の調達でしょうか?住宅ローンの設定でしょうか?
もちろんこれらも非常に重要ですが、さらに重要なことがあります。
それが「ハウスメーカーを徹底的に比較検討する」こと。
多くの人が、「知名度が高い」とか、「価格が安い」とかいう理由で比較検討せずにハウスメーカーを決定してしまいますが、実はこれ非常に危険。
特に多いのが、住宅展示場に足を運んだ際に、言葉巧みな営業マンに流されてその場で契約をしてしまうパターン。住宅展示場の住宅モデルはオプションがフル装備されていることが多いため、住宅展示場の家と実際に建てた家のギャップにがっかりする人も多いんです。
これだと、大金を払ったて建てた家が大きな損になってしまいます。
そうならないためにも、事前にハウスメーカーを徹底的に比較検討することが大事になってきます。
しかしながら、「全国に無数にあるハウスメーカーに1つずつ連絡をするわけにもいかないし、そもそもたくさん比較するなんて無理!」と思ってしまう人もいるのではないでしょうか?
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それではここから本文に入っていきますよ。
建売住宅とは?
建売住宅とは、土地とセットで販売されている新築の分譲住宅のこと。
建売住宅を販売する場合、ハウスメーカーはまず広大な土地を購入し、そこに大量の新築の住宅を建設します。その後、完成済みの分譲住宅を土地とセットで販売することになります。
このような既に完成済みの住宅を販売する方法を「完成売り」。売買契約締結をするまで建築せず、締結して初めて建物の建設を始めることを「青田売り」とそれぞれ呼称します。
完成売りされる建売の場合、既に土地付きの家が完成し、間取りや設備が決まっているので、契約を締結したらすぐに入居することができます。一方で青田売りされる売建住宅ならば、間取りや設備を自由に設計できるという特徴があります。
建ててから売るのか、それとも売ってから建てるのかで、住宅の特徴に違いがあるということです。ちょっとした違いですが、確認せずに購入すると不測の事態を被る恐れがあるだけに、住宅購入時にはどのような違いなのかを把握しておきましょう。
「建売住宅」と「注文住宅」の違いとは?
建売住宅と注文住宅の大きな違いは設計にあります。
「建売住宅」は規格に沿った設計であるのに対して、自由に設計できるのが「注文住宅」です。他にも違いはありますが、どちらが良くてどちらが悪いというのはありません。
メリット・デメリットは考え方や仕様によって、真逆になることがあるからです。
2つの住宅のメリット・デメリットを知ることで違いを明らかにすることができます。自分に合うものはどれか、比較して判断しましょう。
建売住宅のメリット・デメリットとは?
まず建売住宅の魅力というと、何があるのでしょうか?
建売住宅のメリット
- 工期なしですぐ入居できる
- 注文住宅よりも安価
- 土地探しが不要
- 計画が立てやすい
- 実物をチェックできる
- 住宅ローンの手続きが簡易化される
- 分譲地に住める
建売ならではのメリットとして、第一に、すぐに入居できるという手軽さがあります。
建ててから売る建売住宅の場合、既に住宅が完成しているので、工事がありません。工事に関する面倒な手続きをすべて省き、契約が締結されればすぐに入居。新居での生活を始められます。
家の価格についても、ハウスメーカーが家を大量生産することで、一軒あたりのコストを安くできるので、一軒に全力を投球する注文住宅と比べて安価です。
よく読まれてるおすすめ記事ハウスメーカーランキング2021〜住宅メーカーの坪単価や評判と宅建士が教える選び方
同じ規模の家ならば、注文住宅よりも建売住宅の方が安い価格となるでしょう。
特に設計や間取りにこだわりがなく、カタログにあるような家を希望している方の場合、無理をして注文住宅にするよりも、建売住宅の方が安くて早い家が手に入るのでオススメです。
これらの利点に加え、建売住宅は土地とセットで販売されるため、土地探しが不要になります。
例えば注文住宅の場合は、土地と建物は別個で考えないといけません。希望の家を建てるにあたり、その希望に沿った地域にある土地を探さなければならず、この土地探しに時間と労力、そして資金が費やされます。
その点、建売住宅は土地付きの建物であるため、土地探しにかかる面倒な作業や手続きがすべて省けます。できるだけ早く簡単に家に住みたいという方にほど、建売は相性が良いのです。
土地探しや工事が無い分、計画も立てやすいです。というのも、注文住宅をいざ購入するとなると、予想外の出費に迫られやすく、何度も資金計画を修正することになるでしょう。
本来、住宅を建てるとなると色々なお金がかかるものです。水道や電気、ガスなどが整備されていない土地に至っては、家そのものだけでなく、インフラの工事も必要になるでしょう。このような予期せぬ出費が多い注文住宅と違って、建売住宅は想定通りのコストしか基本的に発生しません。
なにしろ既に住宅は完成済み。ハウスメーカーより出してもらった見積もり以上の出費を迫られることは滅多になく、住宅の返済計画通りに話を進められるのが安心ですよね。
住宅の購入には色々なトラブルがありますが、既に完成済みの建売の場合、契約前に実物をチェックすることで隅々まで家を調べることができます。いざ入居して初めて欠点を見つけるということがなく、失敗することなく家を買えるメリットがあります。
また、土地と建物がセットになることで、住宅ローンの手続きが簡易化されるという利点も大きいです。
例えば注文住宅を購入して住宅ローンを組むにしても、つなぎ融資の手続きをしないといけないなど、煩雑な作業に追われるでしょう。その点、土地と建物を一緒に購入できる建売住宅ならば、住宅ローンの手続きが簡単になるので、ストレスなく購入できます。
さらに建売住宅の場合、分譲地に住めるというのも一つのメリットです。
ハウスメーカーでは建売住宅を建てるにあたり、まずは土地を整備します。この時、住居に適した街並みになるように整備してくれるので、建売住宅のある土地というのは家族が住むには理想的な環境になりやすいのです。
なにより、分譲地には同じ時期に家を購入した人が多く集まるので、同世代のコミュニティが形成されやすくなります。子どもがいる世帯が多ければ、子供も友達を作りやすいでしょう。このように同世代の人と新しいコミュニティを作れるのは分譲地ならではのメリットですね。
できるだけ分譲地での暮らしを希望している方にとって、建売住宅はメリットの多い魅力的な物件といえます。
建売住宅のデメリット
安く早く住める建売住宅ですが、デメリットもあるので注意してください。
主なデメリットは以下4つです。
- 間取りを自由に設計できない
- 設備の変更が難しい
- 目に見えない部分のチェックができない
- 工法によって増改築やリフォームが難しい
建売住宅は既に住宅が完成しているので、原則として間取りを自由にプランニングすることができません。今ある家の形をそのまま受け入れることになります。
そもそも建売の場合、特定の規格に従って建てることになるので、依頼主の希望が反映されるということはありません。そのため特定のニーズを持っている家庭からすると、建売住宅は不向きでしょう。
例えば、親と同居をするので二世帯住宅が欲しいなどの要望がある場合、二世帯住宅専用の建売を探さないとならず、見つけるのに苦労してしまいます。
子供部屋が多く欲しい、二世帯住宅にしたい、介護向けの家にしたい、などのこだわりがある方ほど、仕様や間取りが固定される建売住宅は不向きな物件なのです。
また家が既に完成しているということは、工事の様子は見学できないので、目に見えない箇所の品質チェックができなくなってしまうデメリットがあります。
簡単に言ってしまえば、建売住宅はやろうと思えば手抜き工事ができるということです。品確法という法律があるので、欠陥や不具合があるようであれば、売り主に無償で補修を要求することができますが、わざわざ不具合のある家を購入したいという方はいないでしょう。
これらのデメリットに加え、建売住宅は増改築やリフォームが難しいという短所があります。
この短所は、建売住宅が規格化された工法で建てられていることに原因があります。というのも、建売住宅は大量生産などでコストを抑えているため、在来工法のような手間が多い工法で建てられることは滅多にありません。
建売住宅というと、ツーバイフォー工法など規格化が容易な工法が採用されやすいのですが、ツーバイフォーの住宅はリフォームが難しいので、後々になって増改築が困難になるリスクがあります。
要するに、建売住宅はリフォームが難しい工法で家を建てられることが多いということです。
リフォームしづらい住宅というのは、将来的に建物の価値を下げてしまうリスクがあります。
最近では空き家の増加が問題視されており、政府が積極的にリフォームの促進を図っています。具体的には2020年までにリフォーム市場規模の倍増を掲げており、リフォームの減税制度もあるほどです。
国土交通省が発行している「既存住宅・リフォーム市場の活性化に向けた取組み」では、下記のように記されています。
少子高齢化が進行して住宅ストック数が世帯数を上回り、空き家の増加も生ずる中、「いいものを作って、きちんと手入れして、長く使う」社会に移行することが重要であり、政府としても、既存住宅流通・リフォーム市場の環境整備を進めていきます。
このような情勢があることからも、将来リフォームしやすい住宅であるかどうかは住宅の資産価値として大きなポイントとなるでしょう。
将来リフォームをする予定があるのであれば、後々になって後悔しないように、この建売住宅はリフォームに適した工法で建てられたのか、工法の種類までしっかりと調べておきましょう。
他にも、建売住宅は設備が既に導入されているので、自分で選んだ設備を導入しようとなると手間とコストがかかるというデメリットがあります。
もっとも、既にある設備を気に入っているのであれば、それは大したデメリットにはならないでしょう。
「どうしても設備にこだわりがある」、「お気に入りの家具や家電を使いたい」などの希望がある場合は、設備まで自由に選べる注文住宅がオススメになります。
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注文住宅のメリット・デメリットとは?
どうしても建売住宅のデメリットを受け入れられないという場合は、注文住宅を検討するべきです。
注文住宅ならば、建売住宅のデメリットを解決することができます。
注文住宅のメリット
- 設計の自由度が高い
- 建築途中の様子を確認できる
- 予算を調整できる
- 工法を選べる
まず注文住宅の大きな強みは、設計を自由に描けることです。
それこそ0から家作りに関われるので、素材一つひとつまで拘りのある家を作れます。間取りや外観、内装、設備にいたるまで、思い描いた通りの家を建てられるでしょう。
細かな希望・要望を反映できることが注文住宅の主要なメリット。世界に一つだけのオーダーメイドの家を作れるので、まさに理想のマイホームを実現できます。
さらに注文住宅の場合、契約を締結してから住宅を建てることになるので、工事の様子を逐一チェックできます。そのため品質の確認がしやすく、欠陥や不具合などを未然に防ぐことができるでしょう。
注文住宅というと予算が高くなるイメージが付きものですが、そこはいかようにも調整することができます。
こだわりのある部分に予算を多く割きつつ、特に力を入れる必要がない箇所については予算を減らすなど、柔軟に予算を調整することで無駄なコストをカットできるというのも注文住宅ならではの強みなのです。
他にも、設計の段階で自由に工法を選ぶことができる利点があります。これが既に家が完成してる建売の場合、ハウスメーカーが決めた工法で建てられた家にしか住めないので、この工法で家を建てて欲しいという希望を叶えることができません。
しかし注文住宅ならば、すべてを自由に決められます。子供部屋が欲しい、二世帯住宅にしたい、リフォームしやすい家にしたい、などの要望も注文住宅ならば応えられるでしょう。
注文住宅のデメリット
確かに自由性が高い注文住宅ならば、建売では真似できないメリットがあります。その反面、デメリットもあるので注意してください。
注文住宅のデメリットは以下の4つです。
- 入居まで長い
- コストが高い
- 住宅ローンの手続きが面倒
- 完成するまで実物がわからない
注文住宅の最大の強みはプランニングが自由にできる事なのですが、このプランニングのせいで完成までに時間がかかるというデメリットを抱えています。
住宅の設計というのは意外と時間がかかるもの。特にこだわりを強く反映させたオーダーメイドの家を建てるとなると、担当者とよく相談をしなければならず、打ち合わせだけでも時間がかかってしまうでしょう。
時間をかけてプランニングをし、契約を締結したら、次に工事があります。この工事が終わらない限りは入居ができませんよね。プランニングから工事まで、すべてを含めると1年以上かかることも…。
このように時間がかかるというデメリットに加え、注文住宅は建売住宅よりも価格が高く予算をオーバーしやすいというデメリットがあります。
なにしろ注文住宅の場合、土地と建物が別口の契約になるため、予期せぬ出費を迫られやすく、当初予定していた以上のコストが発生することもあるからです。
コストがかさめば、その分住宅ローンの返済が負担になります。せっかく良い家を建てても、住宅ローンの負担が大きいと生活が辛くなってしまうので、無理のない余裕のある返済計画を立てる必要があります。
他にも、土地と住宅を別々で購入することになるので、住宅ローンの手続きが複雑になるという問題があります。
特に頭金が足りない場合、つなぎ融資を受けなければならず、資金調達の手続きに奔走することになるでしょう。
これらのデメリットに加え、注文住宅だと完成図が予想し難く、工事が完了するまで家の実物がわからないというデメリットを抱えています。
せっかく手間とお金をかけて家を建てたにも関わらず、間取りや外観、内装、設備などで失敗したというのでは意味がありません。入居してから後悔しないように、注文住宅を建てる際には万全の計画が重要でしょう。
以上のように、注文住宅はこだわりの強い家を建てられるというメリットの反面、時間とコストがかかりやすく、面倒な手続きが多いというデメリットがあります。
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ハウスメーカーの建売住宅に関するまとめ
今回はハウスメーカーの「建売住宅のメリット・デメリット」や「注文住宅との違い」を解説しました。
ハウスメーカーの建売住宅を選べば、工事を待つことなく購入して早々に新しい生活をスタートできます。
余計な出費がなく、簡単に家を購入できることが建売住宅の主なメリットでしょう。その反面、既に完成しているので、間取りを自由に変更することができず、自由なプランニングができないというデメリットがあります。
希望通りの家を建てたいのなら、設計が自由な注文住宅がオススメです。ただし、注文住宅は時間とお金がかかりやすく、手続きも煩雑というデメリットがあります。
「建売住宅」と「注文住宅」にはそれぞれに一長一短があります。
ハウスメーカーの担当者とよく相談して、各家庭のライフスタイルに合った最も相性が良い住宅を選びましょう。
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