PR
マンションを売る際、賃借人がいるケースでは立ち退き交渉も大事なポイントです。
どのタイミングで退去してもらうか、立ち退き料は必要か?など事前リサーチも不可欠。
正当理由は自分側の理由だけではなく相手側の立場も関わってくるので慎重に行う必要があります。
今回は「マンションを売る際の賃借人立ち退き料について知っておきたいポイント」ついて紹介しますのでぜひ参考にしてみてください。
1、賃借人がいる物件の売却について
マンション売却を検討している人は賃借人がいる状態で検討しているケースもあるかと思います。
売却については賃借人がいる場合でも進めることが可能でありそうしたケースはけっこう多い事例の1つ。
賃借人がいるケースでは入居中のケースと退去させてから売却に入るケースの2パターン。まずはこの2パターンから紹介していきます。
1、賃借人が入居中のケース
賃借人が入居したまま売却するケースでは、賃借人がそのままいることが前提で売却するケースと最終的に退去してもらうケースがあります。
前者の場合、引き続き賃貸経営を考えているオーナーにとってもメリットがあり場合によっては相場よりも高く売れるケースことも。
後者については退去が前提であり基本的に入居した状態のまま売却することは可能です。
売却期間も通常通り賃貸料の収入が見込めますが賃借人を入居させたままだと「賃借人の地位」についてもそのまま継続することになります。
これはどういうものかというと、賃借人とオーナーとの賃貸契約が引き続き継続ということになりオーナー側の都合で退去命令はできないのです。
退去については話合いはもちろんのこと、オーナー側の都合とみなされ敷金と保証金の返済義務が生じるケースも。
詳細は退去時期や相手との交渉次第となりますが基本的になんらかの保障が必要になることもあります。
2、賃借人を退去させてから売却するケース
賃借人を退去させてから売却するケースですが例えば市町村の土地売却にひっかかったり、建物が老朽化して取り壊しをするなどのケース。
こうした場合正当事由に該当することも。
正当事由についてはオーナー側の都合だけではなく相手方の立場も大きな関わりがあります。
相手方が次の物件を見つけるのに著しく困難なケースなどはオーナー側の正当事由であっても退去の際、保証金などサポートが必要になるケースも考慮しなくてはなりません。
いずれにしても退去が前提であれば半年など期間に余裕をもって検討したいところです。
よく読まれてるおすすめ記事ハウスメーカーランキング2021〜住宅メーカーの坪単価や評判と宅建士が教える選び方
ベストなのが次の更新のタイミングで退去を申し出ること、そして半年前には相手に告げるのが良いでしょう。
こうした方法であれば保証金も少なくて済む可能性があります。場合によっては特段なしで問題ないケースも。
上記のように正当理由があり準備も万全であれば負担金がなしあるいは大幅ダウンになる可能性が高いのも特徴。
売却する可能性があるなら期間に余裕をもって賃借人のことも考慮しつつ行動に移すのがベストです。
2、退去に必要なのは「正当理由」
引っ越しについては費用負担もバカにならないもの。
賃貸している人の立場からすると賃貸しているのに立ち退きを命じられるのは困ることも少なくありません。
退去については日本では「正当理由」が不可欠です。
まずは正当理由について把握しましょう。
1、退去に必要な正当理由
賃借人には「賃借人の転移」という権利があります。
この権利は賃貸契約を結ぶにあたり物件を使用するための権利が賃借人にあるという意味が含まれており、賃借人を守るための権利です。
オーナー側の都合で退去を依頼する場合、正当な理由必要になります。
正当な理由についてはいくつか要素がありますがはっきりした境界線は微妙であり、最終的に当方の立場と話し合いになることも。
補償金についても話し合いで決まります。
オーナー側の都合でよくあるケースが建物老朽化に伴い更地にする、資金確保のため売却したい、転勤から戻ってくることになったので自分たちが住みたいといった理由。
こうした理由はよくあるケースですが賃借人の権利も考慮したうえで検討する必要があります。
具体的にどういう検討が必要かというと話し合いと保証金の折り合いに。
オーナー側の負担を減らすためには①半年前以上に退去の話をする、②更新のタイミングを狙う、③賃借人に納得してもらうための根回しが重要となります。
その他、オーナー側が災害やなんらかの理由で住居を失い、賃貸先の場所に移住したい場合も正当理由となります。
災害については親族なども含まれ被災した親族に貸したいといった理由でも正当理由に該当することも。
正当理由探しをするのも大事な作業です。
正当理由があっても賃借人が納得しないケースや不満が出ることも。
双方の合致点が見いだせない場合は、最悪裁判に持ち込みということもあります。
裁判は費用と時間がかかるのでそのあたりのことも考え、なるべく穏便に済ませるのがベスト。
2、こんなケースでは退去は面倒なことに・・・
正当理由の取り揃えはオーナー側がしっかり対処していれば問題ないというわけではありません。
ここがちょっとやっかいですが大事なことなので確認してみましょう。
まずは賃借人が高齢者のケース。
高齢者の場合、収入がなしのケースや何かあったときの対処など対応が必要であることも多いため賃貸を断られることが多々あります。
最近は孤独死も少なくありません。万が一のことを考えると賃貸を渋るのはもっともな話。
現在の賃借人が高齢者である場合、引っ越しが難しいケースもあります。
引っ越し先を確保できても家賃が高かったり、費用がかさむといったケースも。
そうなると当然賃借人から反発が出ます。
正当理由があって退去を申し渡されても次の入居先が見つからない場合、どう責任を取るか?という問題まで検討しなければなりません。
生活保護者なども居住できる場所は限られており、さらに高齢者となると貸し渋りは深刻です。
最悪裁判になるケースもありますがなるべく臨機応変に対応したいところ。
オーナー側としてできることも検討してみましょう。
一例として市役所に相談するといったものです。
市役所では低所得者向けの住居情報なども紹介しており相談に乗ってくることも。
こうした窓口の利用ですがインターネットで情報を収集できる世代なら当然に知っていることでも、高齢者の場合知らないケースも多いのです。
市営や都営などに入居できるケースと民間の賃貸の利用とでは敷金礼金をはじめ、初期費用も全く異なるもの。
そうしたことも踏まえて上記の活用はぜひ検討したいところです。
立ち退きの交渉は費用と労力がつきもの。このあたりも覚悟して臨みましょう。
3、立ち退き料について
立ち退き料についてはケースバイケースです。
賃借人が居住者の場合は0円から数百万円のケースもありますし、店舗として使用している場合は、数千万円の立ち退き料を支払うこともあります。
このように料金は大きな開きがありますが、交渉の仕方によって大幅に変わることも少なくありません。
特に正当な理由があって事前の通告に余裕がある場合、0円で済むケースもあります。
1、正当理由がある場合は不要~最低限の引っ越し費用のみ
立ち退きで大事なのが「正当理由」です。オーナー側の正当理由を提示できるよう準備しておきましょう。
正当理由を活用するためには準備と最低半年以上の期間を設けることが大事なポイント。
こうした動きは相手のためにもプラスになります。
もちろんオーナー側も費用負担を最小限に抑えることが可能なのでぜひとも実行したいところ。
正当理由がある場合、オーナーの負担金が0円のケースもありますが引っ越し費用の負担をしなければならないケースもあります。
負担金が発生するのか?というと正当理由はオーナーだけの事情ではなく賃借人の事情も考慮されるためです。
賃借人が高齢者である場合、経済的負担が大きいケースも。
またその他の事情で費用負担が難しい場合、オーナー側が負担しざるを得ないケースもあります。
賃貸にあたって通常審査がありますが生活保護者や年金受給者、低所得者の場合、万が一退去の話が出た場合、オーナー側に正当な理由があっても引っ越し費用など負担金が必要であったり退去の交渉が進みにくいケースも。このあたりも検討する必要があります。
上記ケースの人の場合、賃貸先がなかなか見つからなかったり、安い物件に絞って検討していることも多いので古い物件や不人気物件ではそうした人を対象に賃借人を募集していることも。
入居が決まりやすいのはいいのですが、トラブルが多いのも事実で家賃の支払いが滞っていたり、退去時にもとめることも少なくありません。
最悪生活苦などが理由で自害するというケースも・・・。
想像したくありませんが、実際賃貸で低所得者が苦悩の末、自殺するケースはけっこうあります。
賃借人の審査は退去やトラブルも含めてしっかり行いたいところ。
入居者が決まった!→万歳というわけではありません。
2、正当理由が認められにくいケースは費用負担を覚悟しなければならない
マンションの賃借人がいる場合、退去申し出で必要な正当理由はオーナー側だけではなく賃借人の存在も欠かせないもの。
賃借人が弱者の場合、正当理由が認めにくくなることもありオーナー側は予想外の費用負担が必要になることもあります。
なるべくなら負担金は少なくしたいところ。
オーナー側もできる限りのことは賃借人の立場に立って協力しましょう。
引っ越し負担については①高齢者、②低所所得者、③その他引っ越しが難しい事情がある人の場合、負担はやむを得ないと考えわりきることが大事です。
正当理由についてはボーダーラインがかなりあいまいです。あいまいだからこそ上手く対処する方法を検討する必要があり、オーナーも事前対処が不可欠。
賃借人の期限を損ねると負担金が増えることもありえるのでそのあたりも慎重に対処したいところです。
最後に
マンションを売却する上で賃借人の退去などやるべきことはいくつかあるかと思います。
賃借人の退去には正当理由が必要となりますが、オーナー側の正当理由だけでは退去が完了しないケースも多々あるので用意周到にしておくことが大事なポイント。
賃借人の立場についても考慮され、特に経済的負担が困難な立場の人は正当理由があってもオーナー側が引っ越し費用を負担するなど覚悟しておく必要があります。
いずれにしても費用負担は最小限に抑えたいところ。
入居時の審査もその点についても考慮し検討しましょう。ま
た退去の手続きは最低でも半年前から進めることが大事です。
双方納得のいく方法で退去交渉ができればベスト。
ぜひ参考にしてください。
今月の人気記事ハウスメーカーランキング2021〜住宅メーカーの坪単価や評判と宅建士が教える選び方
コメントを残す