【23区】待機児童数から見る、おすすめのマンション購入エリア5選

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待機児童数。

安倍政権発足以降、この言葉への馴染みや関心度が上がった方も多いでしょう。

筆者の周りにも、子供が生まれるときに、「今住んでいるところは保育園には入れそうかな?」と気にする妊婦さんが増えました。

共働きの家庭が増えている中、保育園に入りやすい地域か否かの関心度は高まっています。
以前は、子供ができたら母親の両親の近くに引っ越せば安心という家庭も多かったですが、今では保育園にどれだけ入りやすいかどうかというのも、子育て世代には大事なことなんですね。

そんな昨今の待機児童問題をテーマに、今回は待機児童数から見るマンションの購入エリアおすすめ5選をお伝えしていきます!

今からマンションを購入される予定の方は「子育てしやすいエリアを選ぶにはどういう所に気をつけてエリアを選べば良いのかな?」という観点から、今後マンションを売却される予定の方は「自分のマンションは子育ての観点からはどのくらいの需要が期待できそうだろうか?」という観点から、それぞれ読んでみていただけると何か新しい発見があるでしょう

待機児童数から見たおすすめマンション購入エリア5選

東京23区内で2018年度に待機児童数が少なかったのは、千代田区(0人)、豊島区(0人)、杉並区(0人)、品川区(19人)、新宿区(25人)の5区でした!

待機児童数が0人の区が3区ありますね!(す、素晴らしい・・・!)

反対に、待機児童数が多かったのは、世田谷区(486人)、江戸川区(440人)、目黒区(330人)の3区でした。

ご存知の方も多いでしょうけれど、この3区は以前より住まいを持つのに非常に人気のエリアで、待機児童数が多いだけでなく、保育サービスを利用できていない児童の割合も高いエリアです。そして、小学校に入る前の児童のうち、4割未満の児童は保育サービスを利用できていないというデータが残っています。

ちなみにこの4割という数字は、1〜2年前までは他の区でもさほど珍しくない割合でした。ですが、安倍政権の政策により、近年はどの区も保育に関する数値の改善に力を入れて来ましたので、「世田谷区」「江戸川区」「目黒区」の3区を除いた他の東京23区は、4割以上の児童が保育サービスを利用できるまでに改善されています。

裏を返せば、この3区に関しては、それだけ根強い人気がある「離れたくない」「一度は住みたい」という人気エリアだということなのでしょうね!!!

こうしたデータは毎年、東京都福祉保健局というところが統計データを取っています。
毎年4月1日を基準に定点観測されていて、その年の7月下旬頃にその内容が東京都庁のホームページにて発表されています。

データ解析が好きだ!もっと詳しくデータが見たい!という方のために、2018年度版のデータのURLを紹介しておきますね。

東京都庁 報道発表資料:「都内の保育サービスの状況について」
http://www.metro.tokyo.jp/tosei/hodohappyo/press/2018/07/30/04.html

今回参考にしたデータ:「表4 区市町村別の状況」
http://www.metro.tokyo.jp/tosei/hodohappyo/press/2018/07/30/documents/0730_04_01.pdf

待機児童数が少ない=保育園に入りやすいの?

待機児童数が少ないということは、保育園に入りやすいということなのでしょうか?

待機児童数はもちろん一つ目安になる指標と言えますが、残念ながら保育園に入りやすいことを確約してくれる数字ではありません。

あまり知られていませんが、待機児童数以外にも「就学前児童人口比率」や「新規入園決定率」など、保育園の入りやすさに関連する参考指標があります。

「就学前児童人口比率」は、小学校に入学する前の児童に対して、保育サービスを利用している児童がどのくらいいるかの割合を示す数値です。

保育園に入りたいというニーズがあるか否かに関わらず、人口統計から割り出されている数値ですね。なので、生まれたての0歳児や「義務教育までは自宅で子育てをしたい」というご家庭のお子さんの数も含まれています。

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また、事業所内の保育事業等の利用児童も含まれていますので、「希望するような保育園に入れているかどうか」という観点の裏付けは少々弱めの指標です。待機児童数と同様に、東京都が毎年統計データを発表しています。

一方、「新規入園決定率」とは、新規に認可保育施設に申込みをしている児童のうち、入園が実際に決定した児童の割合です。平たく言えば、認可の保育サービスへの「合格率」といったところです。

これは、国が定めている正式な指標ではありませんが、認可の保育園の入りやすさを表す参考指標として有用かと思います。

ちなみにどこがどう調べているのかというと、「保育を考える親の会」という民間の機関が、2001年度から毎年自主的にしてくれている調査です。(なんてありがたい活動なんだ〜〜!)

このデータは無料公開されている訳ではなく、冊子として販売されています。新規入園決定率の他にも、各自治体の保育の整備状況など、保育施設等に関する情報がたくさん載っています。

1冊800円と大変良心的な価格です。ぜひ「保育を考える親の会」にみなさんにこの活動を長く続けていただくためにも、子育てにご興味のある方、子育て目線での住宅・マンションの売り買いをお考えの方、ぜひ購入してみてください!

新規入園決定率などが載っている調査:「保育を考える会 100都市保育力充実度チェック」

100都市保育力充実度チェック(2020年度版 頒布中!)

待機児童数が少ない5区の現状

先に挙げた待機児童数が少ない5区は「千代田区」「豊島区」「杉並区」「品川区」「新宿区」でしたね。

次は、これら5区について他の参考指標も含めて詳しく見て行きます。

保育園に入りやすいエリアと言えるかどうか・子育て世代に人気なエリアになりそうかどうかという観点から見たときの筆者の考えについても加えています。

1.千代田区

データから見る特徴
・5年連続で待機児童数0人
・新規入園決定率は100%
・就学前児童人口が他の区と比べて圧倒的に少ない

子育てする上で良いところ
・子ども医療費が18歳まで無料など、補助が充実している
・皇居や公園などの緑が多い
・治安が良いエリアが多い

子育てする上で気をつけたいところ
・家賃が高めのエリアが多い
・オフィス街が近いため、子供らしい環境は少ない
・人口が少ないため、身近に同じ子育て環境の人を見つけづらい

5年連続で待機児童数0人とはなんて優秀な区なんでしょう!!

2年連続で待機児童数0人という区は他にもありますが、5年連続0人は千代田区だけです。新規入園決定率も3年以上100%という状態が続いています。素晴らしい実績ですね。

反対に懸念点はというと、皇居・官庁・オフィスが多いお仕事向きのエリアのため、住んでいる人口がそもそも少ないというところです。

例えば、就学前児童人口(小学校に入学する前の子どもの数)で見ると、2018年度は3,621人と、他の区と比較すると1/2〜1/12倍程度の少なさです。就学前児童人口が2番目に少ない台東区でも7,703人、3番目に少ない荒川区でも9,930人ですので、就学前児童人口の少なさで言ったら群を抜いています。

なので、ご近所さんなど近隣に子育ての相談や助け合いができる人がどれだけいるのかについては、実際に子育てをするにあたっては気をつけたいところですね。

とはいえ、人口が少ないというのも一長一短で、そう悪い面ばかりではありません。千代田区は高校生までは医療費がかかりませんが、それだけの負担ができるのは子どもの人口が少ないからこそでもあります。また、整備されたエリアが多く、大人も楽しめるレジャー施設も多いです。

マンション売買の需要という観点で言えば、オフィス街へのアクセスの良さを考えて、家賃が下がりづらいエリアだとも言えるでしょう。

2.豊島区

データから見る特徴
・2年連続で待機児童数0人
・新規入園決定率は2017年度で東京23区第1位
・就学前児童人口は例年並みの推移

良いところ
・認可の保育施設への入園決定率は2017年度で90.8%
・主要駅(池袋駅・渋谷駅・新宿駅)へのアクセスが良い

気をつけたいところ
・今後人気が出ることが予想されること
・目白公園を除き、緑が少なめ

2年連続で待機児童数0人で、新規入園決定率も90.8%の第1位というのは、保育の観点からは大変優秀な区と言えますね!

2017年度の新規入園決定率は、2位が北区(84.7%)、3位が葛飾区(77.3%)、4位が板橋区77.1%)、5位が荒川区(73.9%)と続いています。2017年度の新規入園決定率の中央値は65.5%でしたので、90%超えというのは他の区と比べても圧倒的に良い数字です。

認可の保育園への入園を希望されているご家庭には魅力的なエリアですね。

その分、今後人気が出てくる可能性は高く、その需給バランスによっては、逆に入園しづらくなってしまったり、家賃が高くなってしまったりという弊害が生じる可能性もあります。2018年現在は家賃相場は23区内では平均的で、上がる余地ありです。ご検討中の物件があられる方は、良い条件の物件が無くなってしまわないうちに決断されると良いですよ!

3.杉並区

データから見る特徴
・2年で待機児童数がTOP5入り
・新規入園決定率は65.3%と一般的で、認可外の入園児童が多め
・就学前児童人口は去年よりも増え幅が少ない

良いところ
・家賃が手頃な物件が見つかりやすい
・公園が300以上あり、緑が多い

気をつけたいところ
・認可外の入園児童が多い

杉並区は教育関係の施設も多く、住みやすいエリアとして昔から人気があります。ここ数年で待機児童数も改善が見られ、今後も人気が続きそうです。

一方で、少し気をつけたいのが新規入園決定率です。新規入園決定率は申込みをしている認可の保育施設に入園できたかどうかを反映している指標で、2017年度の中央値は65.5%でした。杉並区は65.3%と全体の中央値に非常に近しい値です。

それが悪いというわけでは決してありませんが、他の待機児童数が少ない区(千代田区(100%)、豊島区(90.8%)、品川区(70.5%)、新宿区(69.0%))と比べると最も低い数値に留まっているという状況ですね。

また、認可外の保育施設への入園率が34%と、23区中ワースト2位です。
とはいえ、認可外の保育施設も決して悪いところばかりではなく、お仕事の都合上「夜間に預かってもらえるところが良い」と理由で敢えて選ばれるご家庭もあります。自分のお仕事・子育て事情に合う保育園を見つけやすいエリアと捉えることもできますね。

4.品川区

データから見る特徴
・直近の1年で待機児童数が大幅改善されている
・新規入園決定率は2017年度7位70.5%とそこそこ良い
・就学前児童人口はほとんど変動がない

良いところ
・羽田空港にも近く、主要駅へのアクセスが良好
・新駅もできる予定で、今後ますます利便性が上がりそう

気をつけたいところ
・家賃が高めのエリアが多い

品川区は2017年は待機児童数が219人と多かったのですが、2018年に18園が開園して1522人の定員増を図り、一気にTOP5入りを果たしました。
2017年度の新規入園決定率も全体の7位で70.5%とそこそこ良い数字ですが、2018年度はさらに良くなることが予想できます。

元々利便性が高く、街の整備なども品川区が積極的に行っているため、今後も人気は続きそうです。

5.新宿区

データから見る特徴
・3年連続で待機児童数はTOP5入り
・新規入園決定率は2017年度8位69.0%とそこそこ良い
・2018年度の就学前児童人口が前年度の1.8倍

良いところ
・都心5区の中では賃料が低めで手が届きやすい
・主要駅へのアクセスが良好
・子育てに関する助成金制度が充実している

気をつけたいところ
・就学前児童人口が前年対比1.8倍のため、従来よりも入園決定率は下がる可能性あり
・犯罪件数が多い

新宿区はオフィス街や歓楽街があり、都心のイメージが強い方も多いかも知れませんが、子育てに関する助成金制度が充実しており、案外子育てがしやすいエリアです。

山手線の内側に位置するエリアでありながら、港区や渋谷区と比較すると賃料も高すぎず、都心の中では穴場的なエリアです。待機児童数も3年連続でTOP5入りしています。新規入園決定率も23区中8位とそこそこ良い基準です。

一方、気になるのは2018年度の就学前児童人口が前年度の1.8倍に増加している点。2018年度の新規入園決定率は多少下がることも予測されます。

他におすすめの区はあるの?

ここまでは、2018年の待機児童数の統計数値TOP5の区に焦点を当てて、子育てのしやすさの観点から紹介・解説をしてきました。

これらの区について調べ今回様々な数値を確認する中で、筆者が「穴場的なエリアだな」と思った区についても、番外編的にご紹介しておきます!

それはズバリ、「葛飾区」です。主要駅へのアクセスも上記の5区程良いとは言えませんが、待機児童数は例年6〜7位あたりを安定的に推移していて、新規入園決定率も2年連続3位です。

また、下町は地域全体で子育てをしていく意識の人が多く住んでいて、地域住民が子育てを助けてくれることも期待できます。

家賃も手頃なエリアになりますので、子育てをしやすく長く住みたいというニーズをお持ちの方にとっては、住居エリアとしては候補のうちの一つにしても良いように思います。

一方、投資という意味では、家賃相場が低く、目立ったエリア特性(強み)がこれと言ってないため、投資にはあまり向かないというのが筆者の意見です。

あなたが今からできること

ここまで読んでいただいてお分かりの方も多いと思いますが、結局のところ待機児童数だけを見ても一概に「保育園に入りやすい」とはいいづらく、保育園に入りやすいかどうかは他の指標やその推移、その他行政の対策状況を見ながら総合的に判断していかざるを得ません。

今からマンションを購入される予定の方は「自分が子育てにおいて優先したいことは何か」ということを改めて明確にしておくと、エリアを絞りやすくなりますよ。

また、今後マンションを売却される予定の方は「自分の売りたい物件の強み・弱みは、子育ての観点から見ると何だろう?」ということをこれを機に明確にしておくと、ターゲットに向けた集客・セールスの対策が練りやすくなりますね!

この記事をお読みのあなたが、ご自身の目的に合う理想のマンションを見つけて、お子さんと幸せで楽しい時間を過ごされることを願っております。

まとめ

・2018年度の待機児童数が少ない区は、千代田区、豊島区、杉並区、品川区、新宿区。
・待機児童数が少ないからと言って入園がしやすいとは限らない。
・新規入園決定率や就学前児童人口も参考にすれば、入園しやすさは検討しやすくなる。

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