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つなぎ融資は、2通りの方法があります。たとえば注文住宅を建てる際には、着工事に建設会社へ着手金を支払わなければなりません。
また、上棟時には中間金などもあり、建物が完成する前までに大きな金額の支払いが発生します。
通常であれば、住宅ローンが実行されるのは、建物が完成して保存登記や抵当権の登記を行った後です。
もともと自己資金が多い方なら問題はないかもしれません。しかし、たいていは住宅ローンの利用が前提で家を建てることがほとんどではないでしょうか?
まだ住宅ローンが実行されていないのに、建設会社へ着手金や中間金を支払うことはできませんよね。
そこで、つなぎ融資を利用することで、先に「着手金や中間金の部分についてだけ融資を受ける」ということができます。
一時的な融資というイメージです。
もう1つの方法は、家を「住み替え」する場合。
いま住んでいる家を売却して、新たに次の家を購入する際に利用するつなぎ融資です。
マンション売却時におけるつなぎ融資とは?
たとえばマンションを売却して「つなぎ融資」を利用する場合は、前述の注文住宅を建てる際のつなぎ融資とは大きく異なります。
いま住んでいるマンションを売却するタイミングによっては、つなぎ融資が不要な場合があるのです。
たとえば、マンションから戸建に住み替える場合。
先にマンションを売却してから、次に購入する家を探すのであれば、すでに売却金が手に入っている状態です。
売却金を新たな家の購入資金に充てることができますよね。
この場合は、つなぎ融資を利用する必要がありません。
ところが、なかなかマンションが売れないときや先に購入したい家が見つかった場合は、まだ売却金が得られていないので次の家の購入資金に充てられないのです。
仮に、マンションの売却価格が1,000万円で、新たな家の購入価格が3,000万円だったとします。
住宅ローンを利用する場合は、2,000万円の部分を住宅ローンで契約し、足りない1,000万円はつなぎ融資としての利用が可能です。
つなぎ融資で借りた1,000万円は、「マンションが売れたら返済する」といった形です。
このように、家の住み替えにおけるつなぎ融資は、「売却が先か(売り先行)」「購入が先か(買い先行)」によって大きく変わってくるのです。
【注意点1.】 マンションの売却は、売り先行か買い先行かで違う
前述の通り、そもそも売り先行であれば、つなぎ融資を利用する必要はありません。
しかし、いま住んでいるマンションを先に売ってしまうということは、次の家をすぐに用意しないと住むところが無くなってしまうことになります。
「売り先行」の場合と「買い先行」の場合で、なにがどう違うのかを比較してみましょう。
売り先行
売り先行の場合は、つなぎ融資の利用が必要ないのでそれがメリットですね。
しかし、いま住んでいるマンションを先に売らなければならないので、いったん賃貸物件を借りるなどして仮住まいとなる所へ引っ越す必要があります。
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仮住居に荷物が入りきらない!
仮住まいに家具や荷物などが全部入りきらないことがあるかもしれません。
もし荷物が全部入らないときは、別でレンタルボックス(貸倉庫)を借りるなどの対応が必要になります。
仮住まいの近くにレンタルボックスがあれば良いのですが、まったく別の地域にしか無い場合は、かなり不便な思いをすることになるでしょう。
また、レンタルボックスは賃貸物件なので、余分に家賃の支払いが発生することになります。
内覧の際は、買主に生活環境を見られる
早めに仮住まいやレンタルボックスの手配ができていれば問題ないですが、もしそうでない場合は、内覧の対応に気を配らなければなりません。
売却に出しているマンションの「部屋の中を見たい」という購入希望者はたくさんいます。
実際の内覧は、間取りを確認するだけではなく、キッチン・バスルーム・トイレなどの水回り部分もしっかりとチェックされることに。
できるだけ早く高くマンションを売るためには、購入希望者の心象を良くするためにきちんと清掃をしておく必要があります。
特にキッチン・バスルーム・トイレについては入念に清掃しておいたほうが良いでしょう。
内覧に来た方が夫婦であれば、特に女性のほうは水回りにこだわるからです。
このように、もし次の住居が決まっていない場合は、内覧をしに来た赤の他人にたっぷりと自分の生活環境を見られることになってしまいます。
また、売却に出しているとはいえ現在住んでいるにもかかわらず、不動産会社を通さず外観だけ確認しに来ることも。
中まで入って来ないとはいえ、不特定多数の人に外から見られることになるのです。
買い先行
通常であれば買い先行の場合は、マンションの売却と次の家の購入を同時に行わなければなりません。
しかし、マンションを売却に出したからといってすぐに売れるとは限らないですよね。
次の家の購入と同時にタイミング良くマンションが売却できれば良いのですが、なかなか思うようにはいきません。
売却金を次の家の購入資金に充てにくいので、どうしても資金繰りが難しくなってしまいます。
じっくりと次の家探しができる
そこで、住宅ローンとつなぎ融資を併用して、新たな家の購入資金として利用することが可能です。
つなぎ融資が利用できれば、いま住んでいるマンションを慌てて売らなくても良くなります。
次に住む家をじっくりと探す時間ができるでしょう。
新たな住居が決まれば先に引っ越しを済ませることができますね。
その際は、金融機関によって異なりますが、半年や1年以内にマンションを売却できれば問題ありません。
内覧時は部屋の中がキレイな状態
マンションを売却に出すよりも先に引っ越しを済ませられるので、部屋の中は空っぽの状態にできます。
購入希望者が内覧に来た際にも、部屋の中が見やすくなるでしょう。
もし、ハウスクリーニングやリフォームを行っている場合は、キッチンなどの水回りもキレイになっているので安心ですね。
もうそこには住んでいないので、内覧そのものも不動産会社の担当者に任せっきりにできます。
【注意点2.】 つなぎ融資の条件を確認しておこう
つなぎ融資が使える金融機関は限られています。ほとんどの金融機関が住宅ローンを取り扱っていますが、必ずしもつなぎ融資を利用できるとは限りません。
また、一般の住宅ローンとは違い、つなぎ融資は金利や手数料も高めに設定されています。
さらに、たいていの場合は条件があり、金融機関が定める条件に同意しなければつなぎ融資の利用はできません。
不動産会社の買取保証とは?
つなぎ融資を利用した場合、売却するマンションは金融機関が定める期間内に売れれば問題ありません。
しかし、もし期間内にマンションが売れなかった場合は、不動産会社による買取りを利用しなければならなくなるのです。
不動産会社は、戸建やマンションの売買仲介をしていますが、そのまま物件を買取りして再販売する業務も行っています。
金融機関がつなぎ融資をする際には、この不動産会社による「買取保証」を必須条件とされることがほとんどなのです。
不動産会社の買取りは、一般の不動産相場で売却するよりも70%から80%程度は安くなってしまいます。
つなぎ融資はとても便利ですが、こうした状況になることは予め想定しておかなければなりません。
売りやすい物件なら効果的
マンションが建っている立地など、物件の環境次第で売れやすい場合があります。
- 駅から徒歩10分圏内
- ファミリー向けの3LDKや4LDKである
- 築20年以内
こうした条件を満たしていれば、すぐに売却できる可能性が。
つなぎ融資を利用している際にも、売却に有利な物件であれば半年以内に売れることが多いので安心できますね。
まずは査定をしてもらおう
自分が住んでいるマンションがいくらで売れるのか知りたいときは、不動産会社に査定をしてもらいましょう。
不動産一括査定サイトを利用すれば、1社だけでなく、同時に複数の不動産会社に査定を依頼することができます。
また、家を住み替えするときは、査定や仲介をしてくれる不動産会社を選ぶことがとても重要です。
複数の不動産会社に査定を依頼することで、それぞれの査定価格を比較しながら、「どの不動産会社なら売却力があるのか」を見極めることができます。
【注意点3.】 つなぎ融資の金利は高め
住宅ローンが最大35年の借入れができるのに対し、つなぎ融資は「一時的な」ローンなので、「借入期間が短い」というのが特徴です。
融資の期間が短いということは、お金を貸す側はその短期間で利益を出さなければなりません。
そのため、つなぎ融資の金利は、長期融資ができる住宅ローンよりも高く設定されているのです。場合によっては、住宅ローンのおよそ2倍の金利になることもあります。
ただし、売れやすい物件などの場合は、「半年以内」などかなりの短期融資になるので、そこまで大きな利息になることはないでしょう。
【注意点4.】 つなぎ融資は不動産会社に依存しがち
つなぎ融資はほとんどの場合、不動産会社の買取保証が前提となるため、売却の仲介を行う不動産会社にどうしても依存することになります。
つなぎ融資を行う金融機関は、最終的にその不動産会社に物件を買取ってもらうことが条件になっているからです。
マンションが売れなかった場合に備えて、仲介をする不動産会社は予め買取価格を出しています。
金融機関はこの買取価格に同意してつなぎ融資を行っているため、もし一般の不動産価格で売却できなかった場合は、必ず不動産会社の買取保証を利用しなければなりません。
【注意点5.】 途中で不動産会社を変更できない
つなぎ融資を行っている金融機関が買取保証を条件としている以上、もし途中で仲介業者とうまくいかなくなっても、不動産会社を変更することはできません。
そのため、最初の「不動産会社選び」がとても重要なポイントとなります。
査定の段階から複数の不動産会社に相談をしつつ、どの不動産会社が自分に合っているのかを見極めなければなりません。
まとめ
つなぎ融資を使って住み替えをするときは、いま住んでいるマンションを「先に売るか」「後から売るか」で状況が変わってきます。
もし売り先行になった場合は、いったん仮住まいなどに引っ越すのが一般的ですが、たとえばリースバックを利用することでそのまま住み続けられる方法もあります。
リースバックは、売却したマンションをそのまま買主から借りて、家賃を払いながら住み続ける方法です。
もちろん買主の同意が必要ですが、交渉次第では「次の家が見つかるまで借りる」ことができるでしょう。
買い先行の場合は、つなぎ融資を利用して新たな家に引っ越した後にマンションを売却することができます。
不動産会社による買取保証の利用や住宅ローンと比べて金利が高いなど、それぞれの条件はありますが、慌ててマンションを売らなくてもじっくりと新居を探せるのが大きなメリットです。
マンションを売買するときに仲介に入る不動産会社は、つなぎ融資の利用をするにあたってかなり大きな存在となります。
不動産一括査定サイトで、売りたいマンションの地域に強い不動産会社を探しましょう。
査定価格が高いだけの不動産会社よりも、しっかりと売却力があるところのほうが頼りになります。
一括査定サイトは、1,000社以上の不動産会社と提携しているところがほとんど。
地域密着型の不動産会社を探すことも容易です。
複数の不動産会社と同時に売却の相談が行えるのも、一括査定サイトの大きな特徴。
それぞれの不動産会社を比較しながら堅実に売却を進めていきましょう。
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