マンションを売る際に押さえておくべき10の手続きと流れ

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マンションに関わらず不動産売買は「売ったお金もらって、終わり!」と簡単には終わりません。

不動産売買は契約書の取り交わしや名義変更、引き渡しなどやらなければいけない手続きがたくさんあります。

面倒な手続きがいくつも重なると考えただけで疲れてしまいますよね。

また、売却活動は早くて3ヵ月長くて1年以上も時間がかかるため、余計にストレスが溜まってしまうことも。

売却時の手続の負担を軽減させるためにも、どのような流れで契約が進んでいくのか、時間はどのくらいかかるのかという目安を頭に入れておくと今後の売却活動がスムーズになります。

そこで、マンションを売る際に必要な手続きを一挙公開していくので、売却時の参考にしてくださいね。

1、マンションを売るために必要な10の手続きと流れ

不動産売買は素人にはすこしばかり難しい取引ですが、事前に不動産の知識を学んでおくと業者と対等に交渉できたり、売却を有利に進めたりすることができます。

最近ではインターネットで検索すれば、不動産売買に関する情報を簡単に入手することができますが、ここではマンションを売るのに必要な手順を一覧にして見やすいようにまとめています。

マンション売却の手続きは、不動産会社を選ぶことから始まります。

不動産会社を通し買い手と売買契約を結んだら、マンションの所有権を移転する登記を行います。

その後はマンションの引き渡しや税金の支払いなども忘れずに行いましょう。

このような一連の流れをイメージしておけば、実際にマンションを売るときに行動しやすくなります。

それでは、マンションを売るために必要な手続きの具体的な内容を順番に紹介していきます。

1.売る理由と今後計画を確認し売却に備えよう

まずは「なぜマンションを売りたいのか」理由を明確にしましょう。

マンションは売って終わりではなく、売ってから新しい生活がスタートします。

買い替えのために売りたいのか、財産を整理するために売りたいのか、理由によって売却活動内容も違ってきます。例えば,

買い替えのためにマンションを売りたい場合には、買い替えと同時に新居を探していかなければいけません。

また、財産整理のための売却活動であれば、いつまでに現金化するのか事前に身内と話し合っておく必要があります。

「売った後の住まいはどうしたらいいのか」「いつまでに現金が必要なのか」など、マンションを売る理由によって今後の売却活動が左右されることを頭に入れておきましょう。

2.目的にあった不動産会社を選ぼう

マンションをどのように売りたいか明確な理由を確認したら、次は不動産会社選びです。

不動産会社には得意ジャンルと不得意なジャンルがあるため、先ほど確認した売却理由に応えてくれる業者を選んでいきましょう。

住み替えを検討している場合は、新居探しも同時に依頼できる不動産会社を選ぶと今後の手続きがスムーズです。

また、財産整理のための売却ならば仲介だけでなくマンション買い取りを行ってくれる業者を見つけましょう。

もし、どの不動産会社がいいのか業者選びに迷ったときは、依頼内容に合った業者を探してくれる一括査定サービスがおすすめです。

一括査定は物件の所在地や売却目的に合った業者を探すことができますので、業者選びに迷ったときは一括査定を利用してみましょう。

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3.3つの媒介依頼の種類と内容

理由にあった不動産会社をみつけたら、不動産会社と媒介契約を締結します。

媒介契約とは「今後の取引をお願いします」という依頼する契約のことで、実際に売買をするときの契約とは異なりますので注意しましょう。

媒介契約には、「一般媒介契約」「専属媒介契約」「専属専任媒介契約」の3つのタイプがあります。

この3つの媒介契約は、主に契約の重さが違うとイメージするとわかりやすいかと思います。

複数の不動産会社に買い手探しを依頼したいときは一般媒介契約、ひとつの不動産会社に依頼したいときは、専任媒介契約や専属専任媒介契約というように選んでいきましょう。

この3つの契約が具体的にどう違うかを簡単に解説します。

・一般媒介契約

一般媒介契約は、イメージとしては一番フラットな契約です。

専任媒介や専属専任媒介契約では一度ひとつの会社と媒介契約を交わしたら、他社の不動産会社へは依頼してはいけない規則になっています。

しかし、一般媒介契約は複数の業者とかけもちしても何の罰則もありません。

そのため、買い手探しをひとつの不動産会社に頼るだけでなく、他社の不動産会社にも依頼したり、自分でも買い手を見つけたりしたいという場合に一般媒介契約がおすすめです。

しかし、一般媒介契約は他の契約に比べると業者に対する拘束力が弱いため、不動産会社に売却の意志を軽く捉えられてしまう可能性があります。

・専任媒介契約

専任媒介契約は、一般媒介契約と専属専任媒介契約の中間地点にある契約です。

イメージとしては、軽すぎず重すぎない契約と考えてみてください。

専任媒介契約を締結すると、他の不動産会社へ依頼できない代わりに「レインズ」という不動産ネットワークに売却予定のマンション情報を登録してもらうことが可能です。

レインズは全国の不動産会社が利用する巨大な情報サイトで、ここに登録すると高い確率で取引相手を見つけることができます。

また、専任媒介契約では自己発見取引が許可されています。自己発見取引とは、自分で買い手を見つけるという意味です。

つまり専任媒介契約とは、不動産会社に二股をかけることは禁止だけれども、自分で買い手をみつけてくることは許されている契約となります。

・専属専任媒介契約

専属専任媒介契約は、3つの媒介契約の中でも一番重い契約とイメージしてください。

専属専任媒介契約では、他社とのかけもち契約も自己発見取引も禁止されています。

しかし、拘束力が強い代わりに業者の義務も重く、不動産会社が依頼人に1週間に1回以上の業務報告する義務と、媒介契約締結後の営業日を除く5日以内にレインズに登録しなければいけない義務が課せられます。

よって専属専任媒介契約は、「本気で売ってほしい」「1日でも早く買い手を見つけてほしい」と願う場合におすすめです。

4.レインズや広告を使った売却活動

媒介契約後、いよいよ売却活動に入ります。

まず先に不動産会社の担当者と一緒に、売り出し価格を決めていきます。

価格が決まれば、担当者はレインズに登録したり自社のホームページやチラシに物件情報を登録したりするなどして売却活動がはじまります。

家庭の事情で売却活動を近所の人や身内に知られたくない場合は、大々的に宣伝を控えてもらうことも可能なので、遠慮なく相談してみましょう。

先述したように、一般媒介契約や専任媒介契約であれば自己発見取引ができるため、自分で買い手を探すこともできます。

売りに出されたマンションを見て購入希望者が現れたら、物件の内見(または内覧)を希望されることもあります。

マンションに住みながら内見を行うことも可能です。

内見希望が出たら、部屋を掃除し不要な家具や荷物を整理しましょう。

5.価格交渉を有利にすすめる2つのコツ

購入希望者が現れたら、いよいよ価格交渉がはじまります。

売り手としてはできるだけ高く売りたい反面、買い手としてはできるだけ安く買いたいと思うのは当然です。

そのため、買い手から値下げ交渉は入るものだと思っておきましょう。

不動産売買での交渉の心構えとして大切なことは、「買い手の希望価格を先に聞いておくこと」「はじめから値下げしないこと」の2点です。

有利に交渉をすすめていくために、この2点を詳しく説明していきます。

・買い手の希望価格を先に聞いておく

まず「希望価格を聞いておくこと」ですが、売り手であるあなたが先に価格を提示するのではなく、買い手がいくらであれば売却できるのかを先に聞いておきましょう。

どちらか一方の言い値を強引に押し通しても、売却交渉を有利に進めることはできません。

先に買い手の価格を聞いておいたうえで、「このくらいで購入できませんか?」と、自分の希望価格に近づけるよう少しずつ交渉していきましょう。

・はじめから値下げしない

マンションの価格は、弱気になりはじめから値下げするのではなく、目標とする期間内に売れなかった場合などに行いましょう。

売り出してすぐに内見希望が現れた場合、買い手が購入を焦っていることも考えられます。

このような場合はさほど値下げしなくても売却できる可能性があります。

また、一般的に値引きは3段階にわけて行っていきます。

最初は売り出し価格の2~3%ほど値を下げ、それでも売れない場合は5%程度値を下げ、最終的には10~20%価格を下げていきます。

このように、問い合わせ状況をみながら値下げしていくため、弱気にならずに担当者からのアドバイスを聞きながら柔軟に対応していきましょう。

6.不動産会社で契約を締結する

値下げ交渉が済んだら、いよいよ契約書の受け渡しになります。

契約の際に渡される書類は、重要事項の説明書と37条書面という2通の契約書が不動産会社から交付されます。

はじめに契約内容の確認として重要事項説明書、次に交付されるのが契約を交わすための37条書面です。

重要事項説明書には契約の解除に関することや登記された権利の内容、手付金や預り金のことなどが記載されています。

一方、37条書面には、契約者の住所氏名や物件の所在地、マンションの構造や移転登記の時期など大切なことがたくさん記載されているので、面倒でもしっかり確認してください。

この37条書面を交わしたら契約が締結したとみなされるので、契約に関して何か気になることがあれば、恥ずかしがらずに担当者に問い合わせましょう。

7.法務局で所有権移転登記を行う

契約書の受け渡しが終われば、所有者を変更するために所有権移転登記を行います。

一般的には、契約とほぼ同時に所有権を移転します。

所有権移転登記は印鑑証明書や住民票、固定資産評価証明書を揃えて法務局へ行き、申請しなければいけません。

また、手続が完全に終了するまでおおよそ7~14日かかります。

仕事や家庭の事情のため、登記の手続きが出来なかったり、時間がとれなかったりする場合には司法書士に依頼し移転登記の代理申請をしてもらうことも可能です。

登記時にかかる登録免許税は、売り手と買い手の両者で負担するわけではなく、新しく不動産を所有することになる買い手が支払う税金となります。

8.金融機関で抵当権抹消手続きを申請

売却したマンションに抵当権が設定されている場合は、抵当権抹消手続を行います。

抵当権とはマンションの購入のために組んだローンの担保です。

一般的に購入した物件が担保として設定されています。

そのため、売却したマンションに抵当権が設定されていた場合は、金融機関に連絡し抵当権の抹消手続きを行いましょう。

抵当権抹消手続きは金融機関から発行された必要書類を持ち、法務局で申請が必要です。

抵当権抹消手続きにかかる時間も所有権移転登記と同じく2週間ほどかかります。

また、抵当権抹消手続きにはローンが完済てること、そして金融機関の許諾が必須条件です。

ローンが完済していない上、金融機関に許諾されていないにも関わらず、抵当権抹消手続きを依頼することができませんので注意しましょう。

9.引き渡しと立ち合い

所有権移転登記を済ませ、抵当権を抹消したら、引き渡しまでの準備が完了します。

引き渡し当日には、マンションの鍵や設備等の説明書、建築関係の書類を買い手に渡します。

引き渡しの日までには、引っ越しを済ませておきましょう。

ここで物件の間取りや広さを確認するために、不動産会社と一緒に売り手と買い手の三者が現地で立ち合いマンションの状態を確認します。

今後トラブルがないよう、マンションに修繕が必要な個所はないか確認していきます。

立ち合いが終わり、一般的に引き渡しが完了すると、不動産会社に仲介手数料を支払います。

仲介手数料は、売買契約金によって異なりますがおおよそ「売却金額×3~6%」程度です。

不動産会社は宅建取引業法という法律で定められた以上の報酬を受け取れない規則があります。

そのため、不動産会社から仲介手数料を過剰に請求されることはありませんので安心してください。

また、マンションの管理費の清算が必要になる場合もあるので、事前に管理人に確認しておきましょう。

10、売却後の確定申告に必要なこと

マンションを売却したら、税金の申告をしなければいけません。

不動産売却時にかかる税金は譲渡所得税という国税です。譲渡所得税は不動産を売却したときに、利益が出た場合に納税義務が生じます。

譲渡所得税の計算方法は「譲渡価格-(取得費+譲渡費用)」です。

マンションを購入した金額よりも売却金が多い場合には、譲渡所得税が発生する可能性があります。

しかし、譲渡所得税には控除制度という税金が安くなるシステムがあります。

例えば、売却したマンションが5年以上居住していた物件だったり、マンションを売却した後に新しい家を買い替えたりするなど、ある一定の条件を満たしていれば税金が安くなることがあります。

まとめ

マンションを売る際に必要な手続きは、なぜマンションを売るのか理由を確認することからはじめましょう。

マンションの売却理由によっては不動産会社の選び方や今後の売却計画が変わってきます。

できるだけ早く売りたいのか、ゆっくりじっくり売りたいのかによって、不動産会社と結ぶ媒介契約の種類も違ってきます。

もしもできるだけ高く売りたい場合には、買い手からの価格交渉を有利に進めることが大切です。

買い手からの値引き交渉の際は、こちらの売り出し価格よりも相手の言い値を先に聞いておくと、価格交渉がしやすくなります。

契約が済んだのなら所有権移転登記や抵当権抹消手続きを法務局で行いますが、仕事や家庭の都合で時間が取れないときには、司法書士を上手に頼ることもひとつの手段です。

このようにマンションの売却にはたくさんの手続きが必要になりますが、事前に知識を身に着けておくと、どの段階まで交渉が進んでいるのか、今後はどうすべきか理解することができます。できるだけ有利に交渉を進めるためにも、事前の準備はしっかり行いましょう。

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