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自殺があったが告知したら売れなくなるのではないか・・・
騒音程度なら伝えなくても良いのではないか・・・
マンションを売ることになったら必ず耳にするのが告知義務です。
告知義務を理解していなければ、数十万~数百万円の損失をする可能性があります。
苦労してマンションを売っても「告知義務を知らなかったばかりに時間もお金も無駄にしてしまった」という事態になりかねません。
「不動産会社に任せておけば大丈夫」
確かに不動産会社は告知義務についても専門的な知識で助けになってくれるでしょう。
しかしそれはマンションの売り手が、告知義務を理解してコミュニケーションをとっていた場合に限ります。
不動産会社は営利企業です。
違反にならずに利益が出れば何の問題もありません。
マンションの売り手が告知義務を理解して立ち回らなければ、不動産会社は味方になってはくれないでしょう。
今回は、
- 告知義務について知っておくべき3つのこと
- 告知をしたほうが良い4つ
- 告知をするタイミング2つ
- 告知の伝え方2つの注意点
の4点をお伝えしていきます。
マンションを上手に売るためには避けて通れない問題です。
必ず理解してから動き出しましょう。
1、告知義務について知っておくべき3つのこと
告知義務について最低限のことを理解しておきましょう。
特に告知義務は具体性がない義務です。
曖昧なものこそ全体像を理解しておく必要があります。
- 告知義務とは?
- 告知義務を怠るとどうなる?
- 不動産会社に必ず相談する
以上の3点を紹介していきます。
1、告知義務とは?
マンションの売り手は買い手に対して、問題のある部分(瑕疵)を報告する義務があります。これを告知義務といいます。
瑕疵と認められないものは告知する義務はありません。
問題のある部分(瑕疵)と認められるものは、大きく分けて以下の4つがあります。
- 物理的瑕疵・・・雨漏り等の物理的な欠損
- 法律的瑕疵・・・使用用途に制限がある場合
- 環境的瑕疵・・・下水処理施設や暴力団事務所が近くにあるなど
- 心理的瑕疵・・・自殺や殺人、火事等
マンションを購入する顧客はほとんどが素人です。
数回内覧に来ただけでマンションのすべてを把握することはできません。
売り手側が瑕疵を故意に隠せば気づくことはできないでしょう。
雨漏り程度の瑕疵は軽く天井を塗ってしまえば、数回マンションを内覧した程度で気づけるはずがないのです。
自殺や殺人事件などの心理的瑕疵は告知してあげなければ気づくはずがありません。
告知義務とはマンション購入者を守るためのものです。
2、告知義務を怠たるとどうなる?
瑕疵の告知を怠った場合、告知義務違反で損害賠償責任を負います。
住居というのは生活全てに影響を与えかねません。
設備不良や故障などは費用をかけて直さなければならない上に、時間もかかります。その間にもマンション購入者は快適な生活を送ることができません。
近隣のトラブルや自殺、殺人など心理的な瑕疵は、仕事や家族環境にも影響を与えてしまいます。
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以上の理由から損害賠償額は、瑕疵箇所の補修費用額では収まりません。
3、不動産会社にまず相談する
不動産会社に不安な点をすべて相談しましょう。
告知義務というのは「知っていて告知しなければ違反」「知っていなければ違反にならない」という性質があります。
パートナーとなる不動産会社に全て相談することで、不動産会社も瑕疵を知っている状態になります。
「そこまで告知しなくて良い」「それは告知した方が良い」など、
業界のプロである不動産会社と情報を共有することで、アドバイスをもらうことができるでしょう。
そして、もし告知義務違反を問われてしまったときは不動産会社も責任を問われます。瑕疵を共有することで不動産会社も真剣に告知義務について取り組んでくれるでしょう。
以上の理由から不動産会社にすべて相談するのがベストです。
2、告知をするべき4つのこと
告知義務は曖昧と書かせていただきました。
しかし一つ明確な基準があります。
マンション購入者が「不快に思う可能性があるもの」は告知すべきということです。
告知義務違反が発生してしまうのは、マンション購入者が不満を抱くことが原因です。
一般的な立場から考えて、不満を抱きそうなものは告知しておくのが良いでしょう。
もちろん隠して契約した場合に告知義務違反にならない場合もあります。極端な話ですが、オカルトマニアで自殺物件が好きでたまらない方が購入者だった場合は訴えて来ないかもしれません。
もちろんそんなことはほぼありませんので考える必要ないです。
一般的な見解から判断を行いましょう。
これから紹介する瑕疵は決して隠してはいけません。
あなたが瑕疵を隠すことで不動産会社も購入者も気づかずに契約まで進んでしまいます。
不動産会社は必要以上に物件の瑕疵を調べたりはしません。
法令に基づいた最低限の調査をした上での告知義務は負いますが、後はマンションの売り手への聞き取り調査に頼るしかありません。
売り主が隠してしまえば、マンションの瑕疵は誰にもわからないのです。
マンション購入者が気持ちよく住んでもらうため、また後々のトラブルを防ぐためにも以下の4点を把握しておきましょう。
- 設備の欠損について
- 殺人事件、自殺について
- 隣人トラブルについて
- 周辺環境について
では見ていきましょう。
1、設備の欠損について
エアコンの故障等は告知を行っておきましょう。
使用できると思っていたものが壊れていれば、新品の購入代金や故障品の処分代金までかかってきてしまいます。
不動産会社と一緒に「付帯設備表」を作成して、売買契約時に購入希望者と読み合わせを行いましょう。
2、殺人事件、自殺について
殺人事件や自殺に関しても明確な告知義務はありません。
しかし告知をせずに不動産を売却し、裁判で敗訴した例は枚挙にいとまがありません。
常識で考えて、人が亡くなっている部屋に住みたいとは思わないのが人間です。
住む部屋でなくても、同じマンション内で自殺があった場合でも気分は良くないでしょう。
自分が住んでいる部屋で人が亡くなっていることが発覚したら、相当なショックを受けるのが想像できます。
心理的な瑕疵も必ず告知を行いましょう。
3、隣人トラブルについて
騒音やクレーマーによって生活に支障が出ていた場合も告知を行いましょう。
夜中に楽器の音がうるさい場合や、直ぐに文句を言いに来る隣人がいる場合なども瑕疵の対象になります。
もちろん人によって不快感の度合いは違いますので一概には言えません。しかし、あなたが住んでいる時に不快に感じていたのであれば告知義務が発生します。
4、周辺環境について
周辺に生活環境を脅かす施設が存在する場合、こちらも告知しておきましょう。例えば、
- 暴力団関係者の事務所
- 風俗店などのピンクビル
- 下水処理施設など異臭の原因となる施設
などです。
周辺に施設が存在する程度であるなら問題はありませんが、
「洗濯物にニオイがつく」
「夜に騒がしくて眠れない」
など直接生活に影響が出る場合は必ず告知しておきましょう。
3、告知義務のタイミング2つ
告知をするタイミングは重要です。
次の2つのタイミングで告知を行うと良いでしょう。
- 不動産会社の査定時
- 購入希望者の内覧時
告知のタイミングが遅いと購入希望者は困ってしまいます。
売買契約まで進んで破棄となった場合、不動産会社、購入希望者、売り手、3者すべての時間と努力が無駄になってしまいます。
瑕疵を把握しておいて、確実に伝えましょう。
1、不動産会社の査定時
不動産会社の査定員に瑕疵を報告しましょう。
事前の電話で報告をするか、査定員が訪問に来た際に詳しく説明します。
不動産会社へは告知書という形で瑕疵を報告しますが、早くに伝えるに越したことはありません。
瑕疵を隠してしまうと正確な売却価格の設定ができない上に不動産会社からの信用を失ってしまいます。
不動産会社はマンションを売るためのパートナーです。
瑕疵を隠すメリットは何一つありません。
瑕疵を共有することで不動産会社から購入希望者に瑕疵を伝える義務が発生します。
2、購入希望者の内覧時
購入希望者が内覧に来た際に瑕疵を伝えましょう。
マンションを購入するのにもローンの申請や、手付金などの現金準備等、やるべきことがあります。
早い段階で瑕疵を伝えてあげることで、許容できる範囲なのかどうか?金額は適正なのかどうか?準備をする時間を与えることができるでしょう。
またマンションを売る側にとってもメリットになります。
早い段階で購入を見送ってもらう方が次の内覧への準備もできることや、売却価格を下げる等の対策ができるからです。
マンション売却の成功は「適正価格でスムーズに売却できる」ことです。
マンションは所有しているだけで維持費がかかります。
マンションを早く売るためにも、早い段階で告知を行いましょう。
4、告知義務の2つの注意点
告知のマイナスポイントは伝え方で印象が変わります。
マイナス点だけつらつらと並べると、いくら良いマンションでも買う気をなくしてしまうでしょう。
では一体どんな伝え方をすればよいのでしょうか?
- 一方的に話さない
- 必ずメリットで話を終わりにする
以上の2点を注意するだけで印象が変わります。
では見ていきましょう。
1、一方的に話さない
購入希望者に一方的に話すことは避けなければなりません。
マンションの良さだけでなく、瑕疵まで伝えなければならないと焦って喋りすぎてしまう可能性があります。
マンション購入希望者から見ると、売り手は営業マンと同じです。
一方的に話されては集中もできない上に、話も頭に入ってきません。
まずは相手の話を聞いて、関係づくりに努めましょう。
2、必ずメリットで話を終わりにする
マンションの瑕疵を告知する際は、最後にメリットの話をするようにしましょう。
瑕疵を認めた上で、納得して購入して頂ければ問題ありません。
人間は伝え方によって物事の印象が変わります。
例えば殺人事件がマンションで起こっていた場合、
<悪い例>
「ご近所付き合いが多くて、皆さんに良くして頂いています。このマンションの◯階で殺人事件があったので・・・」
<良い例>
「このマンションで◯階で殺人事件があったんです。それから物騒だねって住民同士が協力しあってご近所付き合いが増えました。今では子供も安心して外で遊ばせています」
難しい言い回しをする必要はありませんが、話の最後をメリットで終わりにしてあげるだけで印象がガラリと変わります。
ぜひ活用してください。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
- 告知義務について知っておくべき3つのこと
- 告知をしたほうが良い4つ
- 告知をするタイミング2つ
- 告知の伝え方2つの注意点
以上の4点を説明させていただきました。
告知義務についての知識は、マンションを売る上で欠かせない知識だと思っていただけたと思います。
しかし告知義務どうこうの前に、一番大切なのは人間として正直に売買を行うことです。瑕疵を隠してマンションを販売することは正しいことではありません。
自分さえ良ければという考えで売買を行えばしっぺ返しが来るのは当たり前です。
違反だから告知義務を果たすのではなく、売り手も買い手もお互いを思いやり、気持ちの良い契約ができるようにしていきましょう。
そうすれば何の問題もありません。
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