PR
あなたは今のマンションを購入したとき、何を重視して選んだか覚えていますか?
間取りや立地、周辺環境や学区、そして景観や経済事情など、様々な条件の物件を比べて悩み、そして現在のマンションを購入したと思います。
また、自分では購入していなくても、あなたの家族や親戚、会社の人が「ここなら大丈夫」と、明るい未来を思い描いてきたのではないでしょうか。
今回は、人がマンションを選ぶときに重視するポイントのひとつでもある「景観」について考えていきたいと思います。
景観の良さが不動産を売るときにどの程度重視されるのか、マンションを売る際の景観の重要度について紹介していきます。
1、プレミアと呼ばれる人気の高い景観
「景観の良さ」は、価値が下がりにくいと言われるマンションのひとつです。
一般的に、マンションは建設当初から劣化が始まり、築年数が経過するごとに価値が下がり続けます。
しかし、景観の良いマンションは購入者に付加価値を与えるため、価値が下がりにくい傾向です。
景観が良いマンションとは、眺望の維持だけでなく、日当たりや解放感があります。
同じマンションでも、部屋が違えば景観も変わるため、購入者にその部屋にしかない魅力を感じてもらうことができます。
そのため、中古マンション購入者の間では「プレミア」と呼ばれるほど人気が高い物件です。
プレミア度が高いマンションは資産価値が高いため、中古でも高値で売れることがあります。
それでは、どのような条件の部屋であればプレミア度が高いのか、詳しく解説していきます。
1.南向きの角部屋
角部屋は、窓が多いため眺めがよく、解放感が高い人気の部屋です。
窓が多いということは、それぞれの窓から、違った景観が楽しめるという特徴もあります。
景観がいいと部屋が広く見え、居心地が良いと感じる人が多いようです。
また通気性もあり風通しが良く、日差しが強い割に夏でも涼しいという特徴があります。
そして角部屋の特徴が景観以外にも、部屋の前を通る人が少ない、洗濯物が良く乾くというメリットもあり、角部屋は中部屋よりも人気が高い部屋となっています。
中でも、角部屋の中でも特に人プレミア度が高い部屋は、「南向き」です。
次いで「東向き」「西向き」となり、日当たりの悪い「北向き」は好まれない傾向にあります。
・角部屋ではないマンションを売る人のためのアドバイス
これから売ろうとしているマンションが角部屋ではなくても、落ち込むことはありません。
中部屋には中部屋のいい部分がたくさんあります。
角部屋は、外気の影響を受けやすいために結露が多く、柱が多いために家具の配置がしにくいというデメリットが存在します。
中部屋を売る場合は、角部屋に比べ「室温が安定している」「遮音性が高い」「家具を配置しやすい」というメリットをアピールしていきましょう。
よく読まれてるおすすめ記事ハウスメーカーランキング2021〜住宅メーカーの坪単価や評判と宅建士が教える選び方
2.公園や神社、学校の前にあるマンション
売却当初は景観が良かったマンションでも、数年後に向かい合うようにマンションが建設されてしまうこともあります。
後述しますが、実際に売却後に景観が悪くなってしまったことで、訴訟にまで発展してしまったトラブルもあります。
しかし、中には付近にマンションが建ちにくいとされる地域もあります。
公園や神社、大学は他の宅地住宅に比べると、取り壊しなどの可能性が低いため、景観が守られるというメリットがあります。
また、近くに公園や神社があると眺望がよく、気が向いた時に散歩できるという点も魅力のひとつです。
そして、お子さんがいる家庭では、学校が近いことで通学が楽になります。学区内は安全が確保されていることが多く、防犯の面でも安心できます。
・公園前ではないマンションを売る人のためのアドバイス
公園や神社、学校前のマンションは景観がいいというメリットもありますが、騒音やゴミ捨てなどのマナーの悪さに悩まされるというデメリットもあります。
子供の声が苦手な人や人が溜まるのを嫌う人には、あまり良い環境ではないかもしれません。
周辺にこのような環境が見当たらないときは、景観の良さよりも静かな環境があるという点をアピールしてみましょう。
3.富士山が見える
世界遺産の認定を受けた富士山が見える雄大な景観は、住んでいる人に感動を与えてくれます。
関東や中部地方限定の話になりますが、窓から富士を臨むことができるマンションは、プレミア度がとても高い物件と言われています。
中でも「富士」「夜景」「海」が窓から見えるマンションは超がつくほどプレミアがつくほど人気の物件です。
富士山とマンションの間に、高層ビルなどがなければ、東京都からだけでなく埼玉県や茨城県からも眺望できます。
特に冬場になると、空気中の水分や塵が減り遠くの景色が綺麗に見えるため、関東でも多くの場所で富士山が見えます。
窓から少しでも富士山が見えるのであれば、内見の際に購入者にアピールしてみましょう。
2、マンション売却後に景観が悪くなるトラブル
マンションから見える景観の良さは、売却時のアピールポイントのひとつですが、永遠に景色が変わらないという保証はどこにもありません。
売買契約時に景色が良かったとしても、数か月後に同じような高さのマンションが建設される、いわゆるお見合いマンションができる可能性もあります。
「いつか景色が変わるかもしれない」と覚悟していても、実際に変化した風景を見て、想像以上に落ち込んでしまうものです。
このように、景観の良さだけをアピールして取引をすると、契約後に思わぬトラブルが発生してしまうかもしれません。
実際に、売買契約後に景観が原因で訴訟にまで至った事例を紹介しますので、今後のトラブル防止策として参考にしてください。
トラブル1.売却後の起きた日照・展望トラブル
マンションを購入後、景観が変わってしまったということで売主の責任が問われた事例を紹介します。
実際の判例を抜粋しますが、少し難しいので、わかりやすく解説していきます。
隣地に建物が建たないであろうという見通しのもと売り主が買い主に対し日照や眺望が良好であることを強調した、という契約成立時の事情がある場合に、のちに隣地に建物が建てられたというときの、買い主から売り主に対する法的責任の追及は、隣地に建物を建てたのが売り主自身である場合には、隣地への建物築造という行為それ自体を義務違反として捉えることも可能である
問題となったマンションは、不動産会社が直接販売する新築のマンションでした。
マンションの南側の土地は、大蔵省が所有しており、建設予定の建物がないため、「日当たりがとてもよく、眺望も良い」と景観が良い物件として販売されていたようです。
しかし、その半年後大蔵省から土地を買い受けた会社が、南側の土地に中高層マンションの建設を始めました。
その結果、日当たりだけでなく、風通しも悪くなり、契約を済ませた住民から訴訟が起こされたのです。
このトラブルの問題点は、不動産会社が「日当たりのよさ」を強くアピールし、隣地に建物が建設される可能性を説明しなかったことが問題とされています。
景観の良さは確かに大きな魅力でもありますが、同時に「いつか景色は変わるかもしれない」というデメリットも考慮しなければいけません。
トラブル2. 大阪超高層マンション展望トラブル
続いて、大阪で起こった超高層マンションの展望トラブルを紹介します。
問題となった超高層マンションは、分譲業者が「眺望良好」をアピールしたマンションを販売していました。
しかし、隣に地上39階建ての高層マンションが建設されたことから、購入者より「眺望を害された」として訴えを起こされた事例です。
事例の判例内容をみていきましょう。
眺望の良さを宣伝文句にしてマンションを販売した分譲業者自身がその眺望を阻害する別のマンションを建築したような場合には、分譲業者は、眺望を阻害する建物を建築しないようにすべき信義則上の配慮義務があるとし、これに違反したことによる不法行為責任を認め、慰謝料や弁護士費用の支払を命じている。マンション分譲業者やその仲介業者が景観や眺望について説明する際には、上記義務違反にならないよう十分留意すべきである。
結果として、不動産業者は良好な景観をアピールはしたものの、眺望が将来的にも続くとは約束していないとされ、購入者の訴えは棄却されました。
景観が与えてくれる恩恵は、あくまで「たまたま」であり、売主が操作できるものではありません。
しかし、購入者を期待させすぎると、このようなトラブルにまで発展する恐れがあります。
売却後にトラブルを起こさないためにも、マンションをアピールするときには、十分な注意が必要です。
3、売却後に景観トラブルを起こさないために
売却後に景観トラブルを起こさないためには、買い手に「物件のデメリットもしっかりと説明」することです。
景観のみを重視して購入を希望する人は、逆に言うと購入時に景観以外に決め手となる判断材料が何もないということになります。
そのため、景観が悪くなってしまった場合、購入を後悔したり、不満を爆発させたりする恐れが出てくるでしょう。
トラブルの種をまかないためにも、買い手にマンションのデメリットも伝え、納得して購入してもらうことが大切です。
「今のところ景観はいいが、将来的に景観が変化するかもしれないけど大丈夫ですか?」など現状を詳しく伝えましょう。
また、景観をカバーするためには、間取りや周辺施設など景観以外の魅力的な部分を理解してもらうことも大切です。
それでは、景観トラブルを起こさないための具体的な方法について紹介していきます。
現状を詳しく伝える
不動産を売却するとき、不当表示防止法という表示義務があります。
簡単にいうと「売買時に必ず伝えなければいけないデメリット」です。
この不当表示法については、不動産業者の人間が守らなければいけない法律のひとつですが、今後のトラブル防止のために、少しだけでも知っておいてください。
・不当表示防止法とは
不動産を取引するときには、購入者の判断を惑わせないよう、正しい情報を伝えなければいけません。
例えば、服を大量にしまっておけるようなウォークインクローゼットや収納部屋は「納戸」と表示しなければならず、LDKに含めてはいけない定めです。
また、部屋が多いというだけで勝手に二世帯住宅と表示することも購入者に誤解を与えてしまいます。このように、売り手の一方的な判断だけで情報を記載してはいけない規則があります。
「早く高く売りたい」という気持ちばかりが前に出てしまうと、後々トラブルに発展する可能性もあるということは覚えておいてください。
景観の悪さをカバーするために
景観によるトラブルを起こさないためにも、景観以外の魅力を理解してもらいましょう。
間取りや家具の配置方法など、住んでいる人にしかわからない魅力をアピールポイントのひとつです。
また、エントランスやゲストルームなどの共有部分の使用方法や、周辺の施設の状況も丁寧に教えてあげてください。
そのほかには、耐震性が高いこと、治安がいいこと、交通の便がいいことなど、探せばアピールできるポイントがたくさん見つかります。
もし、どこをアピールすればいいのかわからないときは、遠慮なく不動産会社の担当者に相談してみてください。
様々な取引を手掛けてきた経験から教えてくれるアドバイスは、売却の心強い味方となってくれるでしょう。
まとめ
景観の良さは、マンションを売る際にアピールできる重要なポイントです。
特に、角部屋で南向きの部屋は景観がいいだけでなく日当たりや風通しもいいため、高く売れる可能性もあります。
そして、周辺に公園や神社、学校があると景色の変化が少ないことや、防犯の良さをアピールすることができます。
しかし景色は不変のものではないため、景観の良さだけをアピールすると、隣地にマンションが建設された場合、売却後に購入者から苦情を言われてしまう恐れがあります。
景観の良さはあくまでアピールポイントのひとつとして考え、間取りや周辺施設、耐震性など、景観以外にもマンションの魅力を理解してもらえるように考えておきましょう
今月の人気記事ハウスメーカーランキング2021〜住宅メーカーの坪単価や評判と宅建士が教える選び方
コメントを残す